ニュース
2014年03月10日
よく怒る人は心臓病のリスクが高い ストレス管理で対処
- キーワード
- 糖尿病合併症
あなたがもしも怒りを抑えられずに感情を爆発させるタイプなら、ストレスのマネージメントの仕方を学ぶべきかもしれない。というのは最新の研究で、激しく怒りを爆発させる頻度の高い人は、そうでない人に比べ、2時間後に心臓病の発作を起こす可能性が高いと判明したからだ。
怒りを爆発させると心臓病リスクが5倍に上昇
心臓病の危険因子となるものは、肥満や過体重、糖尿病、高コレステロール、高血圧、高血糖などだ。米疾病管理予防センター(CDC)によると、世界で年間に約1,700万人が心筋梗塞などで死亡している。
「メンタル面も心臓病に影響することが分かりました。感情的になり怒りを爆発させるのは、ストレスになるだけでなく、心臓にも悪いことが判明したのです」と、ハーバード公衆衛生大学院のエリザベス モストブスキー氏(心臓病)は話す。
モストブスキー氏らは、怒りと心臓病の関連を調べた9件の研究を解析した。20年にわたる調査期間中に、4,546例が心筋梗塞を、462例が急性冠症候群を、590例が虚血性発作をそれぞれ発症した。
「急性冠症候群」は、動脈硬化によって狭くなった冠動脈内のプラークが破裂し、血栓ができることにより、急激に血流が悪くなって起こる心臓病の総称で、急性心筋梗塞や不安定型狭心症が含まれる。
激しい怒りの後では、心筋梗塞や心臓発作、急性冠症候群を起こす危険性が4.7倍に上昇することが判明した。1日5回怒っているとすると、心臓にリスクのない人でも、10,000人あたり年間158回の心臓発作が起こる計算になるという。これが心血管系リスクの高い人の場合、その割合は657回に増える。
「過去に心臓病の発作を起こしたことのある人は、ふたたび発作をおこす可能性が高いことが知られていますが、怒りの爆発の後では心臓病の既往歴のある人とない人の両方で、心臓発作をおこす割合が高まることが分かりました」と、ハーバード大学医学部のマーレー ミッテルマン氏(疫学・予防医学)は話す。
「強い怒りをあらわすのが1ヵ月に1回ぐらいであれば、心臓発作や脳卒中の発症リスクはそれほど上昇しません。でも、それらの病気のリスクがもともと高く、1ヵ月に何度も怒りの感情を爆発させる人では危険性は上昇し、長い時間をかけて蓄積されていきます」と、ミッテルマン氏は指摘する。
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所
糖尿病合併症の関連記事
- 「糖尿病とともに生活する人々の声をきく」開催報告を公開 医療従事者と患者が活発に対話 日本糖尿病学会
- 糖尿病の人は胃がんのリスクが高い どうすれば対策できる? 胃がんを予防するための6つの方法
- 掃除や買い物などの家事も立派な運動? わずか20分の活動が糖尿病を改善 「座っている時間」を中断して体を動かす習慣を
- ブルーベリーが腸内環境を健康にして糖尿病や肥満を改善 メントールから抗肥満・抗炎症の化合物
- 糖尿病の人は腎臓病のリスクが高い 腎臓を守るために何が必要? 「糖尿病・腎臓病アトラス」を公開
- 楽しく歩きつづけるための「足のトリセツ検定」をスタート 糖尿病の人にとっても「足の健康」は大切
- 緑茶を飲んでいる人は糖尿病リスクが低下 心臓病や脳卒中が減少 緑茶は歯周病の予防にも良い?
- 「糖尿病網膜症」は見逃しやすい 失明の原因に 手遅れになる前に発見し治療 国際糖尿病連合などが声明を発表
- 植物性食品が中心の食事スタイルが糖尿病リスクを低下 心臓血管病・がん・うつ病のリスクも減少
- なぜ男性は女性よりも糖尿病リスクが高い? メカニズムを解明 男性はインスリンの働きを高める対策が必要