ニュース
2014年01月31日
「スロートレーニング」が女性の糖尿病リスクを低下
- キーワード
- 運動療法

36~81歳の女性9万9,316名を対象に、「有酸素運動」、「筋力トレーニング」、「スロートレーニング」に取り組んだ時間と、糖尿病の発症との関連を調査した。結果は「PLOS Medicine」に1月14日付けで発表された。
運動にはウォーキングや水泳などの「有酸素運動」と、重いバーベルを上げ下げして筋力を鍛える「筋力トレーニング」があり、これらを組み合わせて行うと、2型糖尿病の予防効果を得られ、糖尿病患者では血糖値コントロールが改善することが知られている。
実際には、筋肉に軽い負荷をかけて行う「スロートレーニング」だけでも、糖尿病の予防効果を期待できることが判明した。可能であればスロートレーニングを毎日続けると効果が高まるという。
スロートレーニングとは、筋肉の発揮張力を維持しながらゆっくりと行う運動のこと。運動をしている間、ずっと軽い負荷で筋肉の緊張を保つことにより、筋肉量が増え、筋力を増強することができる。
データを解析した結果、筋力トレーニングとスロートレーニングは、ともに独立して2型糖尿病の発症リスクの低下に関係していることが明らかになった。
もっとも糖尿病の発症の少なかったのは、週150分以上の有酸素運動を行い、加えて週60分以上の筋力トレーニングをしていた女性で、ふだん運動をしない女性に比べて発症リスクは平均で70%近く低下していた。
糖尿病の発症リスクは、筋力トレーニングのみを行っていた女性では40%低下し、スロートレーニングのみを行っていた女性では20~30%低下していた。いずれの運動も、1週間の運動時間の合計が長いほど、糖尿病の予防効果が強まることも分かった。
「運動に筋力トレーニングを取り入れると、糖尿病を予防する効果を得られることが分かりました。運動ガイドラインにある通り、有酸素運動と筋力トレーニングを組み合わせて、週に150分の運動を行うのが理想です」と、ハーバード公衆衛生大学院のアンダース グロントヴェト氏はアドバイスしている。

冬の運動はウォーミングアップから 寒さ対策と水分補給がポイント
運動目標は「30分のウォーキングを週5回」 心臓病や脳卒中を予防
アスリートに習う健康的な体重と筋肉を維持する秘訣
運動療法の関連記事
- 運動と健康的な食事の組み合わせで効果は最大に 内臓脂肪が減り転倒も防止 女性にも運動が必要
- ウォーキングなどの運動で糖尿病リスクを減少 余暇時間の運動が寿命を4.5年延ばす 仕事の後は体を動かす習慣を
- ウォーキングなどの運動で糖尿病など19種類の疾患のリスクを減少 わずか5分の運動で認知症も予防
- ウォーキングなどの運動は糖尿病の人に良い 運動で食欲も抑えられる 認知症の予防にもつながる
- 糖尿病の人に「不規則な生活」はなぜNG? 体内時計が乱れるとインスリン作用が低下 どうすれば改善できる?
- ラジオ体操などにより要介護や認知症のリスクが低下 体操は取り組みやすく続けやすい
- [高血圧・肥満・喫煙・糖尿病]は日本人の寿命を縮める要因 4つがあると健康寿命が10年短縮
- 良い睡眠は糖尿病リスクを減らす 睡眠は「魔法の薬」 3つの方法で改善
- 座っている時間が糖尿病や肥満のリスクを上昇 わずか10分間の運動で血管が健康に 睡眠も改善
- 少し食べすぎただけで糖尿病? ストレスが糖尿病や肥満の原因に ウォーキングなどの運動でストレスを解消