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2013年12月25日
ウォーキングに薬と同等の効果 プラス2000歩で心臓病リスクが低下
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研究には、世界40ヵ国の耐糖能異常(IGT)のある成人9,306人が参加した。耐糖能異常は、糖尿病と診断されるほどではないが、血糖値が高めの状態をさす。この段階でも動脈硬化ははじまっており、心臓病や脳卒中のリスクが高くなることが知られている。
参加者は「生活スタイル改善プログラム」を受講し、体重コントロールや、高脂肪の食品を避け健康的な食事に取り組んだ。運動を習慣として行うようアドバイスを受け、毎日の歩数を記録できるよう歩数計も渡された。
その結果、ウォーキングで毎日2,000歩を多く歩いていた人では、実験開始から6年後に、心筋梗塞などの心血管疾患のリスクが8%減少していた。ウォーキングは会話ができるくらいの通常の歩行と、やや活発な歩行を取り混ぜて、20分くらい行うと効果があるという。
さらに、1日に4,000歩を多く歩いていた人では、心血管疾患のリスクは16〜20%減少した。スタチンという治療薬が、脂質異常症の治療に広く使用されている。スタチンは心臓発作や脳卒中のリスクを低減することが知られているが、4,000歩のウォーキングはスタチンと同等の効果があるという。「スタチンはよく使用されている薬ですが、残念なことに副作用はあります。しかし、ウォーキングには、腰や関節などの運動器がしっかりしていれば、副作用はありません。また、スタチンにはコレステロール値を下げる効果があるだけですが、ウォーキングにはより多くの好ましい効果があります」と、研究を主導した英レスター大学糖尿病研究ユニットのトーマス イエーツ氏は指摘する。
「英国では成人の8人に1人は、心臓病のリスクが高いとみられています。血糖コントロールの不良が、その多くに影響しています。ウォーキングなどの運動は、血糖値を正常値に近づけるだけでなく、心臓病や脳卒中などのリスクも下げます。今回の研究では、どれぐらいのウォーキングがどれぐらいのリスク軽減につながるかということを数値化できました」(イエーツ氏)。
1日に20分のウォーキングは、いつでもどこでも行える取り組みやすい運動だ。食後の昼休みなどの空いた時間を利用することもできる。毎日取り組めば、運動ガイドラインが推奨する“週に150分の運動”をクリアでき、慣れてくればウォーキングの時間を延ばすこともできる。
「運動には高血圧や脂質異常症の改善の効果もあり、ストレス解消にも役立ちます。糖尿病の人は特にリスクが高いので、ぜひ今日からウォーキングに取り組んでください」と、英国糖尿病学会(Diabetes UK)のリチャード・エリオット博士はアドバイスしている。
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