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2013年11月08日
「食品交換表」第7版 炭水化物の割合を60%、55%、50%で表示
「糖尿病食事療法のための食品交換表」(以下、食品交換表)は、約半世紀にわたって使用され、改訂が重ねられてきた、糖尿病食事療法の決定版と言えるテキストだ。「どの表から何単位を摂取すればよいのか」という適正な単位配分によって、1日の摂取エネルギー量から栄養バランスまで、糖尿病治療の基本である食事療法をしっかりと実行できる内容になっている。
前回改訂(2002年)より10年以上が経過し、炭水化物の適正な摂取量に対する社会的な関心の高まりをうけ、また、今年3月に「日本人の糖尿病の食事療法に関する日本糖尿病学会の提言」が公開されたのを受け、食品交換表編集委員会(石田均委員長)が改訂作業を進めていた。
「糖尿病食事療法のための食品交換表 第7版」の主な変更点は次の通り――
- 食品分類表の中の1単位(80kcal)あたりの栄養素の平均含有量の一部が改正された。
- 食事に占める炭水化-物の割合について、従来は60%エネルギーの配分例のみが表示されていたが、新たに55%、50%の配分例も示した。
[炭水化物エネルギー比(%)=(炭水化物エネルギー/総エネルギー)×100] - 炭水化物から指示エネルギーの50〜60%を摂取し、タンパク質を標準体重1kgあたり1.0〜1.2g、残りを脂質で摂取するように定めた。
・炭水化物60% 1日20単位(1600kcal)の場合は、炭水化物240g、タンパク質70g、脂質40g
・炭水化物55% 1日20単位(1600kcal)の場合は、炭水化物223g、タンパク質72g、脂質47g
・炭水化物50% 1日20単位(1600kcal)の場合は、炭水化物206g、タンパク質78g、脂質52g - 炭水化物50〜60%エネルギーの推奨摂取範囲にそって、それぞれの症例に応じた柔軟な対応ができるようになった。
ただし、55%、50%の場合は、相対的なタンパク質や脂質の過剰摂取につながるので、「腎症や動脈硬化症を有する場合には注意が必要」としている。 - 「食品交換表」の単位配分表を日頃の食生活の中で活かしてもらうために、表示の見開きに「私の食事療法」欄が新たに設けられた。
このうち、食事に含まれる炭水化物の適正な配分については、摂取エネルギーの50〜60%とした。「食後の血糖値は主に食事に含まれる炭水化物(厳密には糖質)の量によって変動するので、血糖コントロールを行ううえで、食事中にどれだけ炭水化物(糖質)量が含まれているかを把握することは大切」と記述している。ただし、この考えは糖質制限食に結びつくことがあり注意が必要で、「極端な糖質制限食は長期的には腎症や動脈硬化の進行などが懸念され、決して勧められません」と注意を促している。
また、炭水化物の割合を55〜60%にすると、タンパク質が標準体重1kgあたり1.2gを超える場合がある。「腎症2期以降の患者は使用できない場合があるので注意が必要」と明記している。また、「炭水化物量が少ないと脂質の摂取過剰につながることにも注意が必要」と示している。
また、合併症を防ぐ食事として、「食塩を減らす」、「コレステロールや飽和脂肪酸を多く含む食品を控えめにする」、「食物繊維を増加させる」を重要なポイントとしている。巻末の参考資料として、「食塩が多い食品」、「コレステロールが多い食品」、「食物繊維が多い食品や主食になる食品の食物繊維含有量の一覧」に加え、表1(炭水化物を多く含む食品)、表2(果物)、表4(牛乳と乳製品)の「炭水化物・糖質・食物繊維含有量」が、4頁にわたり掲載されている。
一般社団法人日本糖尿病学会
公益社団法人日本糖尿病協会
糖尿病食事療法のための食品交換表 第7版 糖尿病の本(購入ページ)
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