ニュース
2013年09月05日
時間がない人も大丈夫 運動時間は日常生活にたくさん潜んでいる
- カテゴリーキーワード
- 運動療法

健康の増進・維持のために運動が必要であることを理解していても、「毎日忙しくて、運動をする時間をとれない」と嘆いている人は多い。そうした人に朗報だ。運動は、短い時間であっても毎日続ければ、十分な効果を期待できるという。
運動に使える時間 男性246分 女性144分
「ジムやスポーツ施設に通い、運動にまとまった時間を費やすのが理想的と考える人がいますが、実際には、生活の中で体を動かす時間をつくり、その時間を積み上げていけば、同じくらいの効果を得られます」と、ユタ州立大学のジェシー ファン教授(家庭医学)は話す。
ファン教授らは米国に在住している18〜64歳の男女4,511人(男性2,309人、女性2,202人)を対象に実験を行った。活動量計を2週間身につけてもらい、日常生活での運動量を計測した。その結果、短い時間であっても体を動かす頻度の高い人は、肥満になりにくいことが分かった。
1回1分程度の運動や身体活動も、積み重ねれば結構な運動量になる。1週間の短い時間の運動の合計を平均すると、男性は246分、女性は144分になった。
通勤の行き帰りに歩く時間を増やす、昼休みの外食はなるべく遠くの店へ行く、買い物はわざと遠回りして行くなど、便利さ優先の発想を変えれば、誰でもかなりの運動量を確保できる。例えば、1回8分程度のウォーキングを毎日続けていれば、週に60分の運動を行ったのと同等な効果を得られるという。
日常でできる運動として勧められるのは、階段の上り下りだ。特に上りは平らな所を歩く場合の3倍以上の運動量になり、ジョギングとほぼ同じくらいのエネルギーを消費できる。運動によって、中年を過ぎると衰えやすくなる腰回りや太ももの筋力の強化も期待できる。脚腰の大きな筋肉の衰えをストップすれば、基礎代謝が改善し、脂肪のつきにくい体になる。
「職場のフロアが2〜3階なら歩いて上る。駅ではエスカレーターを利用しない。自宅マンションや勤務先などの高層階へは、途中までエレベーターやエスカレーターを利用して最後は歩くといった工夫を重ねていけば、立派な運動になります」と、ファン教授は言う。
日常生活で運動量を簡単に増やす方法

[ Terahata ]
運動療法の関連記事
- 運動を「コミュニケーション」に活用する企業が増加 運動・スポーツ促進に取り組む「スポーツエールカンパニー」
- スマホの運動アプリで1日の歩数を2000歩増やせる 糖尿病の運動療法にも応用
- 「自然」の豊かな環境でストレス解消 糖尿病の人は「行動の活性化」で心の元気を
- 犬の散歩は「運動療法」になる? 糖尿病の犬の飼い主は糖尿病リスクが高い
- WHOが「世界の死因トップ10」を発表 糖尿病は9位 食事・運動・薬で改善
- 糖尿病ネットワーク 【1年間でもっとも読まれたニュース ベスト15】
- 年末年始は糖尿病のコントロールを乱しやすい 「8つの対策」で上手に乗り切る
- ウォーキングなどの運動は「1日にわずか12分」でも効果がある 糖尿病を悪化させる代謝物が低下
- 【新型コロナ】糖尿病の人の「かくれ脱水」を予防 「冬便秘」を改善する3つの方法とは
- 「運動を増やして、座りがちの時間は少なく」 糖尿病の人も積極的に運動を WHOの新しい「運動ガイドライン」