ニュース
2013年08月22日
低血糖はHbA1c値がいくつであっても起こる可能性がある
- キーワード
- 糖尿病合併症

この研究は、高齢の糖尿病患者が抱える諸問題に対する解決策をさぐる目的で2万人を対象に実施されている大規模調査「Diabetes Study of Northern California(DISTANCE研究)」の一環として行われた。
エール大学のカーシャ リプスカ氏(内分泌学)らが行った研究によると、研究に参加した30〜77歳の2型糖尿病患者9,094人のうち、10.8%(985人)で深刻な低血糖が起きていた。低血糖の起きた患者のHbA1c値は、9.3%から13.8%にまで及んだ。
研究チームは、参加者の血糖コントロールの状態を、HbA1c値によって「ほぼ標準的」(6%以下)、「とても良い」(6%以上6.9%以下)、「良い」(7%以上7.9%以下)、「最適下限」(8%以上8.9%以下)、「悪い」(9%以上)に分けた。
低血糖の相対リスクは、HbA1c値が7%以上7.9%以下に比較して、HbA1c6%未満の患者では1.25倍(95%信頼区間0.99〜1.57)、6%以上6.9%以下では1.01倍(同0.87〜1.18)、8%以上8.9%以下では0.99倍(同0.82〜1.20)、9%以上では1.16倍(同0.97〜1.38)だった。
良好な血糖コントロールを維持できている患者は、厳格な薬物療法を行っているケースが多く、結果として低血糖が増えるのではないかと考えられていたが、実際には目標となるHbA1c値7%を達成できいる患者でも、達成できていない患者でも、同じような頻度で起きていることが分かった。
「調査を始めた時点では、高齢の患者や、HbA1c値が低くコントロールされている患者、血糖値が高い治療が困難な患者で、低血糖は特に多いだろうと予測していました。実際には、HbA1cがいくつであっても、低血糖は起こりえることが示されました」と、リプスカ氏は話す。
低血糖症は、インスリン治療を受けている患者がもっとも多く、次いでSU薬などの血糖降下薬で治療を続けている患者で多かった。また、深刻な低血糖を報告した症例は、糖尿病の罹病期間が10年以上の患者の方が、10年以下の患者よりも多かった。
「HbA1c値がいくつであっても、低血糖をなるべく起こさない治療法が求められています」と、リプスカ氏は結論している。
HbA1c and Risk of Severe Hypoglycemia in Type 2 Diabetes(Diabetes Care 2013年7月30日)
糖尿病合併症の関連記事
- 運動と健康的な食事の組み合わせで効果は最大に 内臓脂肪が減り転倒も防止 女性にも運動が必要
- 魚を食べている人は糖尿病リスクが少ない 魚は脳の健康にも良い 中年期の食事改善は効果が高い
- テレビの視聴時間を減らすと糖尿病リスクは減少 遺伝的リスクのある人も心臓病や脳卒中を予防できる
- 朝食をしっかりとると糖尿病が改善 血糖管理に大きく影響 朝食で「お腹ポッコリ」肥満を予防
- 糖尿病の人は脳卒中リスクが高い 血糖値を下げれば脳卒中を予防できる ストレス対策も必要
- 「超加工食品」の食べすぎは糖尿病リスクを高める 筋肉の質も低下 「自然な食品」はリスクを減らす
- ウォーキングなどの運動で糖尿病リスクを減少 余暇時間の運動が寿命を4.5年延ばす 仕事の後は体を動かす習慣を
- 腎不全の患者さんを透析から解放 「異種移植」の扉を開く画期的な手術が米国で成功
- 【世界肥満デー】内臓脂肪が増えると糖尿病リスクは上昇 肥満は脳のインスリンの働きを低下 認知症リスクが増加
- ウォーキングなどの運動で糖尿病など19種類の疾患のリスクを減少 わずか5分の運動で認知症も予防