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2013年07月30日
経口インスリン実現に向け前進 ナノサイズのバイオ素材を開発
研究チームは、腸内の粘膜に付着しやすいポリスチレン粒子と、付着しにくい「PMMA」と呼ばれる合成樹脂を使い比較実験を行った。実験マウスに、ポリスチレン粒子をコーティングした薬剤と、PMMA粒子でコーティングした薬剤と、PBMADでコーティングしたPMMA粒子を飲ませた。
その結果、PMMAでコーティングした薬剤は66.9%が吸収されることが分かった。一方で、ポリスチレン粒子のみでは45.8%、PMMAでは1.9%と、それぞれ吸収率は低かった。
PMMAでコーティングした薬剤は、吸収されると80%以上は肝臓に、10%は腎臓までたどり着くことも確認された。
「バイオ粘着の性質をもたせたナノ粒子でコーティングしたインスリン製剤の実現に大きく近づきました。今後は、ナノ粒子の品質を安定的に保つ方法や、インスリンを投与した場合に目標となる投与量を安定させる方法の開発が必要となります」と、マシオウィッツ教授は述べている。
Polymers key to oral protein-based drugs(ブラウン大学 2013年6月27日)
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所
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