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2013年06月07日

栄養士が教える食事療法のコツ 生活スタイルに合わせて改善

 「食事指導の頻度は患者によって異なりますが、糖尿病と診断されたばかりの患者さんであれば、食事指導を毎月行います。そうでなければ3〜6ヵ月ごとに1回ぐらいの頻度で行っています。食事療法がうまくいっており、血糖コントロールが良好であれば、1年に1回で十分です」と、管理栄養士のアンジェラ ギンさんは話す。

 米国栄養士会が推奨する食事法は次の通り――

低GIの食品を選びましょう
 同じエネルギーの食品であっても、炭水化物の構成などによって、血糖の上昇度は異なります。高炭水化物で消化・吸収の早い食品は、食後の血糖値が上昇しやすいので注意しましょう。
 食品の血糖の上昇度はGI(グリセミック インデックス)であらわされます。低GIの食品は、全粒粉を使ったパンやパスタ、精白されてない米、キャベツなどの野菜、キノコ類、ナッツ類などがあります。
食物繊維をとりましょう
 野菜や果物など、食物繊維を豊富に含む食品を増やしましょう。1日に食物繊維を20〜25gとると、血糖コントロールが改善し、血中脂質レベルも低下します。野菜と果物を1日2.5皿以上食べましょう。野菜など食物繊維の多い食品は低カロリーのものが多く、空腹感をまぎらわすこともできます。
食塩を減らしましょう
 糖尿病合併症の発症や進展を防止するためには、血圧コントロールも重要です。食塩の過剰摂取は、血圧上昇による血管障害を引き起こします。塩辛く味付けすると食欲が増すので、薄味を心がけましょう。
 冷凍食品や加工食品は食塩や脂質の含有量が多いものがあります。フードラベルを見て、成分や内容を確認しましょう。
 米国では食塩摂取量を3.8g/日に制限することが勧められていますが、米国人の平均摂取量は6g/日を超えています。
アルコールに注意
 糖尿病のある人はアルコールに注意する必要があります。スルホニル尿素薬を服用している人では、低血糖のリスクが高くなります。
 糖尿病合併症や肝疾患のある人には、アルコールは勧められません。アルコールを食欲を増し、自制心を保てなくなるおそれがあります。飲酒量を自分で制限できない場合は、医師に相談しましょう。
食事の間隔を一定にしましょう
 食事回数は1日3回が基本です。食事の間隔を一定にして、できるだけ規則正しく食事をとり、欠食しないことが大切です。早朝の高血精を避けるため、夜9時以降の食事は控えましょう。
 食事では野菜を先に食べることで、食後に血糖値が上がりにくくなり、体重も減少します。早食いは、肥満をもたらすおそれがあります。ゆっくりと食べましょう。
健康食品やサプリメント
 市販されている健康食品やサプリメントの中には、効果に関する客観的エビデンスが乏しく、製品の管理が不十分なものもあります。利用する場合は、信用のできる商品であるかを確かめ、サプリメントを利用していることを医師に伝えましょう。

eat right. Academy of Nutrition and Dietetics(米国栄養士会)

[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

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