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2013年04月05日
インスリンを分泌するミニ人工臓器「BioHub」 米国で開発中
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最新の生物工学技術により開発された人工臓器「BioHub」により、糖尿病を完治できる可能性が出てきた。BioHubは、米国の糖尿病研究財団(DRI)やマイアミ大学で開発が進められている、膵島細胞をコインほどの大きさの小型カプセルに収めた人工臓器だ。
血液中のブドウ糖の濃度調節に重要な役割を果たしている膵島細胞を収容したカプセルを、インスリン依存状態にある糖尿病患者が装着することで、自然な血糖コントロールを再現できると考えられている。 膵島移植は、膵島細胞を補うことでインスリン分泌不足を解消する治療法だが、移植する膵島細胞は死体ドナーからのもので、拒絶反応を防ぐ免疫抑制薬を使用する必要がある。 「BioHubは、膵島移植の臨床研究で得た経験がいかし、より進歩的に開発したものです。細胞治療と生物学的な代替治療を統合することで、糖尿病治療のゴールを目指しています」と、糖尿病研究財団のステイシー ジョイ グッドマン教授は話す。
糖尿病研究財団「BioHub」 生物工学技術の最新成果
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BioHubの表面は、生物適合性のあるシリコン化合物などの素材が重層にコーティングされており、収納された膵島細胞を体の免疫反応から守る。BioHubであれば、長期の免疫抑制薬の使用は必要ないと考えられている。
表面は多孔構造になっており、細胞増殖に必要な酸素や栄養分が患者自身の静脈から供給され、新たな血液供給が促されるように作られている。
カプセル内の膵島細胞は適切な間隔で配置され、膵島細胞の凝集を防いでいる。そのため膵島移植に比べ、より少ない膵島細胞ですむ。
BioHubを腹腔内の腹膜に装着すると、血糖値の変化を感知し、必要なインスリンを放出する。移植療法に比べ患者の身体的負担は軽減される。装着部位をみつけるのは容易で、うまくは作動しない場合でも回収が容易なことも利点のひとつだ。
研究チームは、最初の臨床試験を2014年に開始することを目指している。対象となるのは、当面はインスリン療法による血糖コントロールが困難な1型糖尿病だが、重度なインスリン依存状態にある2型糖尿病患者も視野に入れているという。
BioHubの課題となっているのは、カプセルに入れる膵島細胞だ。候補となっているのは、近縁のドナーからの膵島細胞やブタの膵島細胞だが、近い将来には患者自身の幹細胞から作成された膵島細胞が使われる可能性がある。
DRI Tests BioHub Mini Organ to Restore Natural Insulin Production in Type 1 Diabetes(マイアミ大学 2013年4月3日)画面をクリックすると動画の再生が開始します。
DRI BioHub(糖尿病研究財団)
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所
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