ニュース
2011年04月15日
生活習慣病患者の2〜4割は自分の正確な治療目標を知らない
- キーワード
- 糖尿病の検査(HbA1c 他)
その結果、医療機関で治療を受けており、自分の検査値を知っている患者の割合は、高血圧では97%、脂質異常症では84%、糖尿病では95%に上ったが、治療の目標値を正しく知らない患者の割合は、それぞれ27%、43%、22%だった。
また、「治療に積極的に取り組んでいる」との回答は39%に過ぎず、「積極的にとはいえないが、薬はいわれたとおり飲み続けている」という患者は55%だった。さらに、2%は「まわりからいろいろ言われるのでしかたなく薬を飲んでいる」と消極的な回答を選んだ。
関連学会がまとめた各疾患の治療ガイドラインでは、脳卒中や心臓病の発症の危険性が低下すると認められる値が、治療(管理)目標値として示されている。しかし現実には、治療中の高血圧患者の5割、脂質異常症患者の3割は目標値を達成できていないという。
調査で現在受けている生活習慣病の治療に対する満足度を聞いたところ、「満足している」が58%と過半数を占めた。医師や医療従事者に伝えたいことを複数回答で選択してもらったところ、「一般的なことはよくわかっているので、自分に適したきめ細かな指導を行ってほしい」という意見が37%でもっとも多かった。
さらに「治療の目標や見通しについてもっと詳しく説明してほしい」が21%、「生活習慣を変えるのは難しいので、生活習慣の改善について専門的な立場から相談にのってほしい」が18%に上った。
今回の調査結果について、京都大大学院医学研究科の藤田正俊教授は「医療の現場では、治療目標のの達成率の低さが問題になっている。今回の調査で、2〜4割の患者さんが自分自身の治療目標値を知らないと回答したことに、その原因の一端があらわれていると思う」とコメント。さらに「生活習慣病の治療効果をあげるには、医師と患者さんが共通の認識をもって、治療目標にむかってパートナーとして取り組むことが大切」と指摘している。
日本心臓財団の「生活習慣病改善プログラム」中央推進委員長を務める京都大学の篠山重威名誉教授は「健康という概念は人間の行動にかかわるもので、生物学的データで画一的に取り扱うことはできない。多角的な広い視野をもって取り組まねばならないと思う」と指摘し、「これまでの科学は普遍性を探求してきたが、全ての生き物は多様性を特徴とすることを忘れてはならない」と述べている。
糖尿病の検査(HbA1c 他)の関連記事
- 糖尿病の人は脳卒中リスクが高い 血糖値を下げれば脳卒中を予防できる ストレス対策も必要
- 糖尿病の食事に「ブロッコリー」を活用 アブラナ科の野菜が血糖や血圧を低下 日本でも指定野菜に
- 【国際女性デー】妊娠糖尿病や妊娠高血圧のリスクのある女性の産後の検査が不十分 女性の「機会損失」は深刻
- 【歯周病ケアにより血糖管理が改善】糖尿病のある人が歯周病を治療すると人工透析のリスクが最大で44%減少
- 早い時間に食事をとると糖尿病リスクは減少 「何を食べるか」だけでなく「いつ食べるか」も重要
- 「温泉療法」で⾼⾎圧を改善 ストレスによる睡眠障害を緩和 冬の温泉⼊浴では注意点も
- 糖尿病の予防はすぐにはじめられる こんな人は糖尿病リスクが高い 東京都など
- 「超加工食品」の食べすぎは糖尿病の人にとって危険? 血糖値が上昇し筋肉の質も低下
- 握力が低下している人は糖尿病リスクが高い 握力や体力を維持して糖尿病リスクを減少
- 糖尿病の人は脳卒中リスクが高い 脳卒中の脅威は世界で拡大 【脳卒中を予防するための8項目】