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2011年03月08日
DCCTデータをグリコアルブミンでも解析可能 保存検体の安定性を確認
- キーワード
- 糖尿病の検査(HbA1c 他)
血糖値をより厳格にコントロールし合併症を抑止するという、今日の糖尿病の普遍的な治療指針の確立に多大な影響を及ぼしたDCCTの血液検体は、現在も冷凍保存されている。この検体のグリコアルブミン値を測定したところ、安定性に問題はなく、解析可能であることがわかった。
「よい血糖管理が合併症抑止につながる」ことを証明したDCCT
DCCTは1型糖尿病患者を強化療法群と従来療法群に分け、合併症の頻度を比較した米国での大規模臨床試験。1983年から約10年間かけて行われ、強化療法群で種々の合併症が抑制された。HbA1cで把握される血糖管理状態と合併症の発症・進展の頻度が明確に相関することを初めて報告した臨床試験として、今日でも極めて高く評価されている。DCCT以降、HbA1cで血糖管理状態を評価し血糖をコントロールするという治療が、世界的に行われるようになった。
冷凍保存されているDCCTの検体の安定性を評価
その後、新しい血糖管理指標としてグリコアルブミン(以下、GAと省略)が登場し、症例や病態によってはHbA1cに比してより血糖状態を正確に反映するとの報告が増えてきたことから、冷凍保存されているDCCTの検体をGAによって再度解析できないかが検討された。GAでの再解析にあたり、まず、検体が未だ正確な測定に耐え得ることを確認する研究が行われ、このたびその結果が発表された。
調査の方法として、DCCTから19〜23年間冷凍保存されている検体90サンプルと、新たに採取した新鮮な検体90サンプルについて、それぞれHbA1cとGA変化を測定し、両者の相関関係が同等と言えるか否かを検証するという方法がとられた。
GAによるDCCTの再解析は十分可能
結果は、保存検体でも新鮮検体でも、HbA1c、GAともにほぼ正規分布となっていた。またHbA1cとGAの相関についても、保存検体と新鮮検体とで有意な差はなかった。以上より、DCCTの冷凍保存検体を用いてGAによりデータを再度解析することに、問題はないとの結論が得られた。
GAによる再解析でDCCTから新たな知見が得られる可能性もあり、今後の研究が待たれる。

グリコアルブミン情報ファイル(糖尿病NET)
[ KUBO ]
日本医療・健康情報研究所
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