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2011年02月01日
1日当たりの歩数が増えるとインスリン感受性が改善 “歩いた者勝ち?”
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- 運動療法


オーストラリア糖尿病協会(Diabetes Australia)によると、ウォーキングは続けることで楽しさが増す運動だ。
- ウォーキングの時間を、1日に3〜5分でも良いので、少しずつ増やしていこう。週に5日、ウォーキングの時間を30〜45分に増やすのが目標。
- 歩数計を持ち歩くとやる気が増す。まずは1、2週間、ためしに歩数計を持ってみよう。それから歩数を500歩ずつでも増やしていく。ウォーキングは慣れると楽しく続けられるようになるので、歩数カウントが増えていくのを見ると嬉しくなるはずだ。
- 5分間のウォーキングで燃やせるカロリーは24kcal程度。少ない数字と思うかもしれないが、1年続ければ8760kcalという大きな数字になる。
- ウォーキングの前後に5〜10分のストレッチを加えよう。
- 運動の前に240mL(約8オンス)の水を飲もう。暑い日には汗をかくので、ボトル入りの飲料も忘れずに。
- 日差しが強い日には帽子を持っていったり、屋根の付いたモールを歩く方法もある。
- 低血糖のおそれがある人は、捕食の準備や、糖尿病であることを知らせるカードなども必要。運動時に低血糖がたびたび起こる場合や、糖尿病合併症の心配のある人は、主治医にチェックしてもらおう。
オーストラリアの研究者が発表した最近の研究によると、1日に歩数を増やすほど、肥満や2型糖尿病の危険性は低下するという。
1日の歩数を1000歩増やすとウエスト・ヒップ比と体重が減少し、インスリン感受性も改善するが、歩数を1万歩(約8km)に増やすと、インスリン感受性は10%も改善し、体重は平均2キログラム減少する。
この研究は、2000年から2005年にかけてオーストラリアで実施された大規模コホート研究に参加した592人を対象に行われた。参加者の平均年齢は、男性(267人)51.4歳、女性(325人)50.3歳だった。英国医師会誌「British Medical Journal」に1月13日付けで発表された。
研究リーダーのマードック小児研究所(メルボルン)のTerry Dwyer教授は、「ウォーキングは手軽に取り組める運動だが、確かな効果を期待できる。ウォーキングが体重を減らし、インスリン感受性を向上する効果があることが確かめられた」と話す。
参加者に歩数計を持ち歩き1日の歩数をカウントしてもらい、体格指数(BMI)、ウエスト・ヒップ比、インスリン抵抗性の指標となるHOMA値を調べた。
5年間に、参加者の65%で1日あたりの歩数が減少したが、1日の歩数が増加した人では、歩数増加にともないBMIが1000歩あたり0.08減少し、ウエスト・ヒップ比も0.15減少していた。HOMA値は1.38になりインスリン感受性が改善したことが分かった。
研究リーダーのマードック小児研究所(メルボルン)のTerry Dwyer教授は「ウォーキングは手軽に取り組める運動だが、確かな効果を期待できる。中年以降で男女ともに、ウォーキングが体重を減らし、インスリン感受性を向上する効果があることが確かめられた」と話す。
1日の歩数を増やす取組みを5年続けると、歩数が多いほど肥満やウエスト・ヒップ比、インスリン抵抗性がより改善されている傾向がみられた。インスリンの効きがより改善し、ウエスト周りがよりスマートになった。これは、食事でのエネルギー摂取量の変化によるものではなく、余計な体脂肪を落とすことでもたらされるという。
「最近の国際的な運動ガイドラインでは、“歩数を週に5日、3000歩ずつ増やそう”とアドバイスしている。1日に1万歩のウォーキングにより、運動の効果をより得られることが分かった。“1日に1万歩”を続けた人ではインスリン感受性が改善していた」とDwyer教授は強調している。
Dwyer T et al.Association of change in daily step count over five years with insulin sensitivity and adiposity: population based cohort study
British Medical Journal, 2011; 342:c7249
Taking more steps every day can help ward off diabetes(マードック小児研究所)
平成21年国民健康・栄養調査結果(厚生労働省)
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