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2011年02月01日
1日当たりの歩数が増えるとインスリン感受性が改善 “歩いた者勝ち?”
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- 運動療法
健康増進のための運動として「1日に1万歩、歩きましょう」とアドバイスされることが多い。一方、患者からは「毎日1万歩を歩くのは、なかなか辛い」といった声も聞かれる。最近は「1日の歩数を1000歩増やすだけでも効果がある」といった指導が行われることも多い。1日にどけだけ歩くと、運動の効果を十分に得られるのだろうか。
1日に20分以上のウォーキングが体を変えていく
国の健康づくり運動で定めた目標歩数は「男性9200歩以上、女性8300歩以上」だが、実際の日本人の1日の平均歩数は男性で7214歩、女性で6352歩(2009年調査)。男女ともに約2000歩ほど足りていない。
オーストラリア糖尿病協会(Diabetes Australia)によると、ウォーキングは続けることで楽しさが増す運動だ。
- ウォーキングの時間を、1日に3〜5分でも良いので、少しずつ増やしていこう。週に5日、ウォーキングの時間を30〜45分に増やすのが目標。
- 歩数計を持ち歩くとやる気が増す。まずは1、2週間、ためしに歩数計を持ってみよう。それから歩数を500歩ずつでも増やしていく。ウォーキングは慣れると楽しく続けられるようになるので、歩数カウントが増えていくのを見ると嬉しくなるはずだ。
- 5分間のウォーキングで燃やせるカロリーは24kcal程度。少ない数字と思うかもしれないが、1年続ければ8760kcalという大きな数字になる。
- ウォーキングの前後に5〜10分のストレッチを加えよう。
- 運動の前に240mL(約8オンス)の水を飲もう。暑い日には汗をかくので、ボトル入りの飲料も忘れずに。
- 日差しが強い日には帽子を持っていったり、屋根の付いたモールを歩く方法もある。
- 低血糖のおそれがある人は、捕食の準備や、糖尿病であることを知らせるカードなども必要。運動時に低血糖がたびたび起こる場合や、糖尿病合併症の心配のある人は、主治医にチェックしてもらおう。
British Medical Journal, 2011; 342:c7249
Taking more steps every day can help ward off diabetes(マードック小児研究所)
平成21年国民健康・栄養調査結果(厚生労働省)
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所
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