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2010年08月23日

人間ドックで「異常あり」が9割 昨年の人間ドック受診者

 2009年に人間ドックを受診した人のうち「異常あり」という結果がでた人は90.5%と、過去最高を更新したことが日本人間ドック学会(奈良昌治理事長)の調査でわかった。「異常なし」とされた人の割合は9.5%、前年に引き続き10%をわりこんだ。
「異常なし」は25年で20%以上も減少
 調査は全国の人間ドック受診者を対象に検査成績などを調べたもので、今回が26回目。対象となった人間ドック受診者数は前年より約6万人多い301万人だった。

 働き盛りの人の健康度は年々悪くなり、各検査項目ごとの判定で「異常なし」と判定された人の占める割合は1984年の29.8%から、2009年は9.5%と20.3%減少した。

 人間ドックの受診者の年代別傾向は50歳代>40歳代>60歳代以上>30歳以下の順で、前年と同じ傾向がみられた。

60歳以上の男性の3人に1人が耐糖能異常
 生活習慣病に関連の深い検査6項目をみると、男性では40〜50歳代で異常が増え、高血圧と耐糖能異常(高血糖)は60歳以上でも増え続ける。60歳以上の男性で、高血圧は34.5%、耐糖能異常は31.9%で「異常あり」と判定された。

 女性では男性に比べ異常頻度が低いが、50歳代で異常が増え始め、特に高コレステロールは60歳以上の4割近くで異常がみられた。

2009年「人間ドックの現況」(日本人間ドック学会)
 人間ドックの受診者で健康度が改善しない理由として、日本人間ドック学会では「専門学会の基準に沿った判定基準が従来より厳しくなった」「反復受診者の割合が7〜8割を占め、受診者の平均年齢が40歳代から50歳代へと移行した。60歳以上の受診者も増えた」等を指摘している。

 「働き盛りの世代のリストラや経済のデフレ化などで社会環境が悪化している。ストレスが生活習慣の悪化につながっているおれそがある」「脂肪のとりすぎなど日本人の食習慣が欧米化している。交通機関の発達などで歩行量が減り、運動不足をきたしている」ことも一因となっている。

 地域別の6項目合計平均値で「異常あり」がもっとも多かったのは九州・沖縄の29.6%。もっとも少なかったのは北海道の17.9%だった(全国平均は21.6%)。異常があった検査項目の最多は高コレステロールの26.5%で、肥満の26.3%、肝機能異常の25.8%が続いた。

 人間ドックで発見されたがんの中でもっとも多かったのは胃がんで、みつかったがん全体の28%。1985年に全体の約6割を占めていた胃がんは年々割合が減少し、一方でその他のがんの占める割合が46%と増えている。女性では乳がんがトップで40.7%、男性は前立腺がんが胃がんに次いで13.8%を占めた。

日本人間ドック学会
 2009年「人間ドックの現況」

[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

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