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2010年06月18日
森林浴をしながらいつもとひと味違うウォーキング
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- 運動療法
緑の濃い森に足をふみいれると、木々や土が香り、森に息づかいや力を感じることができる。森林でのウォーキングはリラックス効果があり、ストレス発散に良いといわれる。森林浴の効果を科学的に確かめ、健康増進や森林整備に役立てようという試みが全国で進められている。
森林を健康増進に活用
奥多摩町は、「森林セラピー基地」として申請していたウォーキングロードを再整備し、今年4月に全国にさきがけてオープンした。
林野庁が推進する「森林セラピー基地」は、観光と健康増進を両立する「ヘルシーツーリズム」を産学官連携で推進しようという事業。「森林セラピー研究会」の研究成果をふまえて、森林を役立てた健康増進を普及することを目的に認定している。同時に森林の新たな活用法も検証する。
東京都奥多摩町は千本余の巨樹が確認されており、全国でも巨樹が多い町として有名。日本水源の森にも選ばれている。東京都心から2時間で訪れることができ、首都近郊のやすらぎと憩いの場として定着している。
奥多摩湖に再整備されたコースは、湖畔沿いの平坦な12kmに及ぶコースで、コースの随所に休憩所、ベンチ、トイレ、広場、キッチンなどを設け、体に不安のある人や障害のある人でも安心して利用できるよう、モノレールも設置してある。
野外で運動するときは、強い日差しから頭を守るための帽子、汗をかいた場合にそなえて飲料水を持ち歩いた方が良い。
シューズは足に合ったしっかりしたもの、通気性の良いものを選びたい。
シューズは足に合ったしっかりしたもの、通気性の良いものを選びたい。
ただし、病気の状態や体力、年齢などによっては、運動が逆に危険をもたらすこともある。運動の悪影響や事故を防ぐために、メディカルチェックを受けることが大切。
医師によるメディカルチェックを受けることで、運動で注意すべきことがないかを確かめられるだけでなく、自分の適正な運動量や、体の状態も知ることもできる。メディカルチェックは運動の継続中にも受けると効果的だ。
インスリンや経口血糖降下薬で治療をしている糖尿病の人では、糖質(砂糖やブドウ糖)を含む食品の携行など運動に伴う低血糖の対策が必要なことがある。望ましい運動の強度や適した時間帯、低血糖対策については主治医に相談したい。
奥多摩町は全域が秩父多摩甲斐国立公園に含まれ、広大な森林と数多くの渓谷がある
森林浴の効果を科学的に検証
農林水産省所管の独立行政法人「森林総合研究所」や大学医学部、企業などが連携して発足した「森林セラピー研究会」は、森林浴の効果を解明し、森林の新しい活用について研究している。
2004年からは、森林での運動が健康に及ぼす影響を科学的に解明する事業を、国の支援を得て行っている。07年には「森林医学研究会」を立ち上げ、医学的な調査も始めている。
研究会が今年6月に発表した研究では、12人の健康な人を対象に、東京から電車で1時間半ほどの場所にある森林公園を訪れ、日帰りで森林浴や2時間のウォーキングをしてもらい、体の変化を調べた。
森林浴でリラックス効果を得られる
その結果、森林浴やウォーキングにより、ウイルスや細菌などの侵入を撃退するナチュラルキラー(NK)細胞の働きが活性しており、ストレスに反応し分泌される血中コルチゾールや、尿中アドレナリンもはっきりと減少することが分かった。
森林浴のリラックス効果が科学的に検証されただけでなく、都市部のウォーキングに比べ森林部ではより高い効果を得られることも確かめられた。その効果は、日帰り旅行から帰ってきた後も1週間続き、参加者の評価も上々だったという。
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所
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