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2010年03月26日
HbA1c検査は糖尿病と心血管疾患リスク予測に有用 米研究
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- 糖尿病の検査(HbA1c 他) 糖尿病の診断基準

診断のための検査として「HbA1cは空腹時血糖を上回る長所をもつ」とSelvin氏は話す。HbA1c検査値はより再現性が高く、日差変動が低い。ストレスや病気による影響も少ない。患者にとっては、検査前に食事を禁止されなくて済むというメリットがある。
米国では長いあいだ、糖尿病診断に空腹時血糖値が用いられてきたが、HbA1c値をより重視する方向に切り替わっている。今年1月に米国糖尿病学会(ADA)は、糖尿病のスクリーニングと診断のためのガイドラインを改定した。糖尿病の初回診断、および将来に2型糖尿病を発症する危険の高い「糖尿病前症(pre-diabetes)」を識別するために、HbA1c値をみることを推奨している。
ADAの新しいガイドラインでは、HbA1c値が5.7〜6.4%の人は今後5年で糖尿病を発症する危険が「非常に高い」と判定され、5.5〜6%であると予防的な測定を始めるのに適していると判定され
「米国には、糖尿病が疑われるが、診断が未確定の人が900万人もいる。臨床診療でHbA1c検査を活用すれば、治療を必要とする患者を識別するのに大いに役立つだろう」とSelvin氏は強調している。
研究結果をもとに、「糖尿病と診断されない人でも、HbA1c検査の測定値が“6.0%以上、6.5%未満”だった場合は、将来に2型糖尿病を発症する危険が「とても高い」ので、定期的に検査を受け、医師からアドバイスをもらった方が良いとしている。*
ベースラインのHbA1c値に基づき対象者を5群に分け、その後の糖尿病と心血管疾患の発症との関連を調べた。その結果、ベースラインのHbA1c値が高いほど、追跡期間中の糖尿病の罹患率が高くなることが分かった。
糖尿病と診断されたハザード比は、HbA1c値が5.0%未満の群では0.52と有意に低かったが、5.5%〜6.0%で1.86、6.0%〜6.5%で4.48、6.5%以上で16.4と、HbA1c値が上がるにつれ高くなった。一方、冠動脈疾患のハザード比も、それぞれ0.96、1.23、1.78、1.95と、HbA1c値が上がると高くなった。
次に、空腹時血糖値に基づいて対象者を3群(100mg/dL未満、100〜126mg/dL、126mg/dL以上)に分け比較したところ、糖尿病の発症予測では有意な値となったが、冠疾患、脳卒中、全死因死亡との関係はみられなかっ
Hemoglobin A1c Outperforms Fasting Glucose for Risk Prediction(Johns Hopkins大学)
Glycated Hemoglobin, Diabetes, and Cardiovascular Risk in Nondiabetic Adults(NEJM)
New England Journal of Medicine, Volume 362: 800-811, March 4 2010, Number 9
関連情報
米国糖尿病学会で新たな診断基準にHbA1cを推奨(糖尿病NET)
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