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2009年08月11日

糖尿病と心臓病の発症リスク 半数以上は認知していない

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糖尿病合併症
 糖尿病と診断された人の7割が循環器内科を受診しているが、糖尿病が不整脈や狭心症、心筋梗塞などの心臓病を引き起こすことを知っている人は4割にとどまる―心臓病について知識が十分ではない実態が調査であきらかになった。

 ジョンソン・エンド・ジョンソン メディカル カンパニーは、8月10日の「健康ハートの日」に向け、全国の成人男女1200人を対象に「心臓に関する意識」調査を実施した。調査は今年7月にインターネットで行い、今回が4回目となる。

 それによると、日本人で死亡数の多い「三大疾病(がん、心筋梗塞、脳卒中)」の関心度は、がんが65.1%、心筋梗塞が19.0%、脳卒中が15.9%となり、3年前に比べ関心が高まっていることが分かった。

 心臓病やがんなどの病気にかかったときに心配になることは、「お金」(29.8%)がもっとも多く、次いで「自分の寿命」(28.1%)だった。性別・年齢別にみると、30〜60代の女性は「お金」と回答した人が多く、40代以上の男性は「自分の寿命」と回答した人が多かった。

定期検診を受けている人は半数に満たない
 心臓病について関心をもっていても心臓の定期検診を受けている人は増えていない。心臓の定期検診の頻度について質問したところ、22.1%が「受けたことがない」、20.9%が「過去に受けたことはあるが、現在定期検診は受けていない」と回答し、43.0%が定期検診を受けていないことが分かった。心臓に圧迫感や動悸を感じたことがある人でも39.3%と約4割が定期検診を受けていない。

 糖尿病と診断されたことがある人のうち、循環器内科を受診したことがある人は67.9%に上る一方で、糖尿病が不整脈や狭心症・心筋梗塞などの心臓病を引き起こすことを知っている人は44.4%と半数に満たない。糖尿病未診断の人を含む全体の認知が3割に満たないのに比べると糖尿病の人の認知は高いが、心臓病について知識が十分ではない実態があきらかになった。

 狭心症・心筋梗塞の主な治療法で、開胸手術に比べ患者の身体的負担の少ない「カテーテル治療」の認知度は、3年前より6.5ポイント増の82.3%。「カテーテル治療」時に使用する「薬剤溶出ステント」が日本に導入されて5年目になるが、認知度は27.0%で3年前より11.3ポイント増という結果となった。70代の認知度が34.5%と高く、男性全体では41.0%と認知が高まっている。

 宮内克己・順天堂大学医学部循環器内科先任准教授は今回の調査について、「特に糖尿病は、狭心症、心筋梗塞、脳梗塞の発症リスクとなり、生命をおびやかすだけでなく、生活の質も大きく低下させることもある非常に重要な疾患。糖尿病を甘くみず、生活習慣を見直し、専門医の指導を受けることが必要です」と話している。

ジョンソン・エンド・ジョンソン(株)
ジョンソン・エンド・ジョンソン(株) メディカル カンパニー

 ジョンソン・エンド・ジョンソンは、糖尿病医療に携わる医療従事者向けに、2007年10月に糖尿病総合トレーニングセンター「ジョンソン・エンド・ジョンソン ダイアベティス インスティテュート(Johnson & Johnson Diabetes Institute: JJDI)」を東京に開設した。2009年8月には大阪でも同様のプログラムを開始する。

この記事はジョンソン・エンド・ジョンソン(株)が8月7日付で発表したリリースをもとにしています。
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

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