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2007年10月30日

果物を食べる人では脳卒中や心筋梗塞のリスクが少ない

 果物を多く食べる人は、あまり食べない人と比べ、脳卒中や心筋梗塞の発症リスクが最大19%減少することが、厚生労働省研究班の調査でわかった。果物には食物繊維やビタミン・ミネラルが豊富に含まれる。厚労省研究班が昨年発表した「生活習慣改善によるがん予防法」では、野菜・果物が不足しないよう、成人は1日400gを毎日食べることを勧めている。

 この研究は、厚生労働省研究班「多目的コホート研究(JPHC研究)」(主任研究者・津金昌一郎国立がんセンター予防研究部長)によるもので、岩手、秋田、長野、茨城、新潟、高知、長崎、沖縄の8県に住む45歳から74歳の日本人男女約8万人を対象に追跡調査した。調査では、1日当たりの野菜・果物の摂取量によって4つのグループに分け、がんや循環器疾患(脳卒中、心筋梗塞)の発症リスクとの関連を調べた。

 主な調査結果は次の通り

  • 果物をとる量が多いグループほど、循環器疾患の発症リスクは低下した。果物の摂取量が1日あたりおよそ280gのもっとも多いグループは、およそ35gのもっとも少ないグループに比べ、発症リスクが19%低かった。158gの2番目に多いグループでも17%低かった。
  • 野菜をとる量によって循環器疾患の発症の変化はあまりみられなかった。
  • がんについては、どの果物・野菜のグループにおいても、関連はみられなかった。
  • 果物ではかんきつ類の摂取量が多いグループほど、循環器疾患のリスクが低かった。
  • たばこを吸う人と吸わない人を比べたところ、男女ともに吸わない人ほど果物による予防効果が強くなる傾向がみられた。喫煙習慣のある人は果物をたくさん食べても、予防効果を期待できないおそれがある。
 野菜を多くとる人で循環器疾患の予防効果がみられなかったことについて、日本人では8割以上を脳卒中が占めていることや、欧米と比べると野菜や果物の摂取量が違うことなどが示唆された。この研究成果は米医学誌「American Journal of Epidemiology」のオンライン版に10月10日付けで発表された。

厚生労働省研究班「多目的コホート研究(JPHC研究)」
American Journal of Epidemiology(英文・概要)

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[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

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