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2023年04月27日

【新型コロナ】糖尿病の人はワクチンの追加接種が必要 ワクチンはもっとも安全で効果的な方法

 新型コロナワクチンの2023年の「春開始接種」は、原則として5月8日から開始される。接種は無料で受けられる。

 糖尿病・⾼⾎圧・肥満・心筋梗塞・心不全、腎臓病などの基礎疾患がある人は、新型コロナに感染した場合、重症化するリスクが他の人よりも高いことが分かっており、ワクチンの追加接種のメリットはより大きい。

 「糖尿病とともに生きる人に、ワクチン接種を受けることを、強くお勧めします。ワクチンは新型コロナの重症化を防ぐもっとも効果的な方法です」という声明も発表された。

糖尿病の人は優先してワクチン接種が受けられる

 糖尿病・⾼⾎圧・肥満・心筋梗塞・心不全、腎臓病などの基礎疾患がある人は、新型コロナに感染した場合、重症化するリスクが他の人よりも高いことが分かっており、ワクチンの追加接種のメリットはより大きい。

 新型コロナワクチンの2023年の「春開始接種」は、原則として5月8日から開始され、住民票所在地の市町村(住所地)の医療機関や接種会場で、接種を無料で受けられるようになる。

 対象となるのは、▼初回接種(1回目・2回目)が完了している人や、それに相当する接種が完了している人(3回目以降の接種を受けたかどうかは問われない)。さらには、▼高齢者(65歳以上)、▼5歳~64歳で基礎疾患のある人、▼医療従事者等および高齢者施設等の従事者も対象になる。

 18歳以上で、インスリンや飲み薬で治療を受けていたり、合併症のある糖尿病の人は、ワクチン接種を優先して受けられる。新型コロナにかかった場合に重症化するおそれが大きいと、医師が認めた人も接種を受けられる。

 なお、基礎疾患のない人なども、2023年9月~12月に「秋開始接種」で追加接種を受けられるようになる予定としている。

新型コロナワクチン 令和5年春開始接種についてのお知らせ
厚生労働省が公開しているリーフレット

ワクチンには感染や重症化を予防する効果がある

 世界保健機関(WHO)の予防接種の専門家グループは3月28日に、新型コロナのワクチン接種の新たなガイダンスを公開した。

 ▼医療従事者、▼高齢者、▼糖尿病や心臓病などの基礎疾患のある人、▼免疫不全の人、▼妊婦などに、ワクチンの定期的な接種を推奨し、そうした人々が優先して接種を受けられるようにするべきだとしている。

 ワクチンには、感染そのものを予防する効果や、重症化や入院を予防する効果がある。新型コロナについて、すでに世界中で多くの人が接種を受けており、免疫を獲得しているとみられているが、ワクチンの感染予防の効果は接種後6ヵ月で大きく低下してしまう。

 そこで、糖尿病などの基礎疾患のある人や、優先度の高いグループには、年齢や免疫不全状態などに応じて、最後の接種から6ヵ月後、あるいは12ヵ月後に追加の接種を受けることを推奨している。

 ガイダンスをまとめた諮問委員会は、「リスクの高い優先度の高い人々への定期接種は妥協してはいけない」と呼びかけている。

 なお、健康な子供や若者への接種については、ワクチンが安全で効果があることは確認されているが、感染時に比較的重症化しにくいため、接種による公衆衛生上の効果は低いとみており、接種については各国の判断に委ねている。

糖尿病の人はワクチン接種を受けるべき
ワクチンはもっとも安全で効果的な方法

 英国糖尿病学会(Diabetes UK)は、糖尿病とともに生きる人の新型コロナのワクチン接種について、「強くお勧めします」と声明を発表した。「ワクチンは新型コロナの重症化を防ぐもっとも効果的な方法です」としている。

 「ワクチンは、新型子コロナやインフルエンザなどのウイルスやからあなたを守る、もっとも安全で効果的な方法です。あなたや愛する人が、糖尿病である場合は、新型コロナやインフルエンザの追加接種を受ける予定があるかを尋ねてください」。

 「これらのワクチンは、当人をウイルスから保護するだけでなく、周りの人々を守るのにも役立ちます」と強調している。

 同学会は、糖尿病のある子供や若者にも、ワクチン接種をうけることを推奨している。糖尿病の人のワクチン接種を推奨することを説明したビデオを、10以上の言語で公開している。

これが糖尿病
英国糖尿病学会が公開しているビデオ
数百万の人々が糖尿病ともに生きているが、さらに数百万人もの人々が糖尿病を誤解している

 なお、ワクチンの副反応として、一部の人で接種後に血糖値の上昇や下降が起こる場合があることも報告されている。

 「ワクチンを接種すると、体で免疫反応が起こり、余分なグルコースが放出される場合があります。そのメカニズムはすべては解明されていないものの、ワクチンは新しいものであり、体が一時的に反応しているだけで、過度に心配する必要はありません」と、同学会では説明。

 「心配な人は、事前に主治医に相談したり、接種後に血糖値を頻繁に測定するなど、対策をしてください」としている。

新型コロナワクチンについて (厚生労働省)
〔追加接種〕令和5年春開始接種についてのお知らせ (厚生労働省)

SAGE updates COVID-19 vaccination guidance (世界保健機関 2023年3月28日)

Coronavirus Vaccines and Diabetes (英国糖尿病学会 2023年4月13日)
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

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