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2022年05月09日
糖尿病があっても安心して生きられる社会づくりを目指す「アドボカシー活動」 無料動画を公開
公益社団法人 日本糖尿病協会(理事長:清野裕先生)は、糖尿病があっても安心して社会生活をおくり、いきいきと過ごすことができる社会形成を目指し、「アドボカシー活動」を展開している。
無料で視聴できる動画「インスリン治療の過去と未来~タイムトラベルをご一緒に」も公開している。
糖尿病とともに生きる人向けのウォーキングアプリ「外に出ることからはじめよう」も開発。これを記念して、「歩いて学ぶ糖尿病バーチャルウォークラリー」を5月22日(日)14時より開催する。
糖尿病治療の過去と未来を語り合う
日本糖尿病協会は、2021年の世界糖尿病デーに合わせて、動画「インスリン治療の過去と未来~タイムトラベルをご一緒に」の公開をはじめた。1型糖尿病の少年と少女が時空を超えて出会い、糖尿病治療の過去と未来について語り合う物語。 2021年は、世界糖尿病デー15周年にインスリン発見100周年が重なった、記念すべき年だった。日本糖尿病協会などの世界糖尿病デー実行委員会は、糖尿病についてより広い世代に考えてもらうことを目指して、このアニメーション動画を制作した。監修は、関東労災病院の浜野久美子先生。糖尿病であることを隠さずにいられる社会を
公益社団法人 日本糖尿病協会と一般社団法人 日本糖尿病学会は、2019年にアドボカシー委員会を設立し、「糖尿病の正しい理解を促進する活動を通じて、糖尿病があっても安心して社会生活をおくり、人生100年時代の日本でいきいきと過ごすことができる社会形成」を目指し、アドボカシー活動を展開している。 糖尿病患者が疾患を理由に不利益を被ることなく、治療の継続により糖尿病のない人と変わらない生活をおくることができる社会環境を構築することを目指している。
(以下は、日本糖尿病協会のプレスリリースより抜粋)
スティグマは、特定の属性に対して刻まれる「負の烙印」という意味をもち、誤った知識や情報が拡散することにより、対象となった者が精神的・物理的に困難な状況におちいることを指します。
わが国では、予備群を含む糖尿病患者数は2,000万人となり、成人の4人に1人が関係する一般的な疾患となっていますが、患者さんを取り巻く人々がもつ知識は正確なものばかりではありません。
近年、糖尿病治療は飛躍的に向上し、血糖コントロールを良好に保てば、健常者と変わらない生活をおくることができるにもかかわらず、古い情報にもとづく判断により、必要なサービスが受けられない、就職や昇進に影響する、などの不利益を被るケースが報告されています。
こうしたスティグマを放置すると、患者さんは糖尿病であることを周囲に隠す → 適切な治療の機会損失 → 重症化 → 医療費増 → 社会保障を脅かす、という悪循環に陥り、個から社会全体のレベルまで、様々な影響を及ぼすことになります。
(中略)
「正しい治療を適切に続ければ、一病息災で長寿を全うできる。血糖コントロールを適切に行うことで合併症発症を減らし、医療費削減にも貢献できる」ということを社会に発信し、患者さんが治療を継続できるような環境づくりを目指す必要があります。
スティグマは、特定の属性に対して刻まれる「負の烙印」という意味をもち、誤った知識や情報が拡散することにより、対象となった者が精神的・物理的に困難な状況におちいることを指します。
わが国では、予備群を含む糖尿病患者数は2,000万人となり、成人の4人に1人が関係する一般的な疾患となっていますが、患者さんを取り巻く人々がもつ知識は正確なものばかりではありません。
近年、糖尿病治療は飛躍的に向上し、血糖コントロールを良好に保てば、健常者と変わらない生活をおくることができるにもかかわらず、古い情報にもとづく判断により、必要なサービスが受けられない、就職や昇進に影響する、などの不利益を被るケースが報告されています。
こうしたスティグマを放置すると、患者さんは糖尿病であることを周囲に隠す → 適切な治療の機会損失 → 重症化 → 医療費増 → 社会保障を脅かす、という悪循環に陥り、個から社会全体のレベルまで、様々な影響を及ぼすことになります。
(中略)
「正しい治療を適切に続ければ、一病息災で長寿を全うできる。血糖コントロールを適切に行うことで合併症発症を減らし、医療費削減にも貢献できる」ということを社会に発信し、患者さんが治療を継続できるような環境づくりを目指す必要があります。
「歩いて学ぶ糖尿病バーチャルウォークラリー」を開催
日本糖尿病協会とノボ ノルディスク ファーマは、糖尿病とともに生きる人が健康的に暮らすことの重要性を啓発するため、1992年より「歩いて学ぶ糖尿病ウォークラリー」を共催している。
コロナ禍により、従来の対面式でのイベント開催は難しい状況になった。そこで、いつでも、どこでも気軽に日々のウォーキングを楽しみ、運動の継続意識を高めてもらえるよう、糖尿病とともに生きる人向けのウォーキングアプリ「外に出ることからはじめよう」(そとでる)を開発し、無料で配信している。
「外に出ることからはじめよう」(そとでる)
「そとでる」は、日本糖尿病協会監修のもとノボ ノルディスク ファーマが開発した、ウォーキングの距離(歩数換算機能も近日追加予定)・時間などの記録ができるアプリ。
これを記念して、「歩いて学ぶ糖尿病バーチャルウォークラリー」を2022年5月22日(日)14時より開催する。日本糖尿病協会理事長の清野裕先生と2型糖尿病とともに生きるタレントのグレート義太夫さんによるトークショーなどのプログラムを通して、楽しく体を動かしながら、糖尿病での運動の大切さを伝える。
オンライン開催なので、好きな場所から無料で参加することができる。「歩いて学ぶ糖尿病バーチャルウォークラリー」の詳細については、日本糖尿病協会の公式サイトで公開されている。
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所
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