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2021年03月08日

野菜と果物を5皿食べるともっとも健康的 糖尿病や肥満の予防・改善に 10万人を調査

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 野菜3皿、果物2皿を毎日食べると、健康に長生きできることが、米ハーバード大学などによる10万人の米国の成人を最大30年間追跡した大規模調査と、190万人を対象としたメタ分析研究で明らかになった。
 ただし、野菜や果物はなにを食べても健康上のメリットを得られるわけではなく、ジャガイモなどのデンプン質を多く含む野菜、フルーツジュースなどは効果を期待できないという。
 勧められるのは、ホウレン草、レタス、ケールなどの緑色の葉物野菜や、ベリー、ニンジンなど、ベータカロチンやビタミンCを多く含む野菜だ。
野菜3皿、果物2皿を毎日食べると健康長寿に
 野菜を3サービング、果物を2サービング、毎日食べることが、健康に長生きするために最適であることが、米ハーバード大学などによる大規模疫学研究で明らかになった。

 サービングは、食事の提供量の単位を示している。食事で皿などに盛られた1回の食べる量がおよそ1サービングになる。

 米国では、不足しがちな野菜を積極的に摂ることを啓発する活動として、「1日に5サービングの野菜を食べよう=5 A DAY(ファイブ ア デイ)」というキャンペーンが1990年代に開始された。

 米国心臓協会(AHA)によると、野菜の1サービングの量は、レタスは1カップ、ブロッコリーは小粒が5~8個、ピーマンは大きめが1/2個、人参は中サイズが1本、ジャガイモは中サイズが1/2個、カボチャは小さめが1/2個、ズッキーニは大きめが1/2本がそれぞれ目安になるという。

FIVE A DAY - Kind of day
英国の国民保健サービス(NHS)が公開しているビデオ

過去最大規模の調査を実施
 今回の研究は、米国立衛生研究所(NIH)、米国心臓協会(AHA)、国立糖尿病・消化器・腎臓病研究所(NIDDK)による資金提供を受けて行われた。

 研究グループは、米国で実施されている大規模研究である「看護師健康調査」(Nurses' Health Study)と「医療従事者フォローアップ調査」(Health Professionals Follow-Up Study)のデータを解析。

 10万人の成人を最大30年間追跡して調査しており、どちらの調査も2~4年ごとに繰り返し調査され、詳細な食事アンケートのデータが含まれていた。

 研究グループはさらに、南北アメリカ、欧州、アジア、アフリカ、豪州の29の国と地域で実施された26件の研究から、約190万人を対象に、野菜と果物の摂取についてのメタ分析した。

関連情報
勧められる野菜とそうでない野菜がある フルーツジュースやジャガイモはNG
 研究では、野菜と果物の摂取と健康との関連について、以下のことが明らかになった――。

  • 毎日約5サービングの野菜と果物を摂取すると、死亡リスクがもっとも低くなった。5サービング以上食べても、効果はそれほど上がらなかった。
  • 野菜を1日に3サービング、果物を1日に2サービング食べると、寿命はもっとも長くなった。
  • 野菜と果物を毎日5サービング食べていた人は、2サービングしか食べなかった人に比べ、全死因による死亡リスクが13%低く、心臓病や脳卒中などの心血管系疾患による死亡リスクは12%低かった。さらに、がんによる死亡リスクは10%、慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの呼吸器疾患による死亡リスクは35%、それぞれ低かった。
  • 野菜や果物はなにを食べても健康上のメリットを得られるわけではなく、たとえばトウモロコシなどの高デンプン質の野菜、ジャガイモ、フルーツジュースなどは、死亡リスクの低下と関連していなかった。
  • 一方で、ホウレン草、レタス、ケールなどの緑色の葉物野菜や、柑橘系の果物、ベリー、ニンジンなど、ベータカロチンやビタミンCが豊富に含まれる野菜や果物は効果が高かった。ベータカロチンやビタミンCには抗酸化作用があり、動脈硬化や老化を抑制する効果を期待できる。
野菜や果物を十分に食べているのは10人に1人
 「米国では"5 A DAY"キャンペーンが展開されており、米国心臓協会などは毎日4〜5サービングの野菜と果物を食べることを推奨していますが、今回の研究はそれを支持するものになりました」と、ハーバード大学医学部とブリガム アンド ウィメンズ病院の研究者であるドン ワン氏は言う。

 「野菜と果物を1日に5サービング食べることは、一般の人々にとって実効しやすいといえます。野菜や果物を毎日十分に摂っていると、2型糖尿病や肥満、脂質異常症などの慢性疾患の予防・改善に役立つだけでなく、心血管疾患やがんなど、死亡リスクの高い深刻な病気のリスクも軽減できることが示されました。」。

 実際には、米国疾病予防管理センター(CDC)の調査によると、野菜や果物を十分に食べているのは、米国の成人のわずか10人に1人だけだという。
野菜や果物は必要な栄養素が自然にパッケージされている
 ワン氏は、食べる量を増やした方が良い食品、減らした方が良い食品について、消費者が一貫性のあるメッセージを受け取れるようにした方が良いことも指摘している。

 「すべての野菜と果物が同じくらいの利益をもたらすわけではないことも示されました。高デンプン質の野菜、ジャガイモ、フルーツジュースなどは、期待している健康効果をもたらさない可能性があります」。

 「野菜や果物を毎日食べることは、生涯にわたり多くのベネフィットをもたらします。野菜や果物は、体にとって必要な栄養素が自然にパッケージされた供給源であり、私たちの心と体を健康に保つために不可欠です」と、米国心臓協会の栄養委員会委員長であり、ハーバード大学医学部の准教授であるアン ソーンダイク氏は強調している。

 なお研究グループ、今回の研究にも限界があり、基本的に観察研究であり、野菜と果物の摂取と死亡リスクの直接的な因果関係を示したものではないことも付け加えている。野菜や果物に含まれる個々の栄養については、より詳細な研究が必要だという。

The right "5-a-day" mix is 2 fruit and 3 vegetable servings for longer life(米国心臓協会 2021年3月1日)
Fruit and Vegetable Intake and Mortality: Results From 2 Prospective Cohort Studies of US Men and Women and a Meta-Analysis of 26 Cohort Studies(Circulation 2021年3月1日)
Why 5 A Day?(米国立衛生研究所(NIH) 2018年10月8日)
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

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