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2020年04月06日

スキマ時間を利用した運動で要介護リスクを軽減できる 「10分未満」で効果

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ライフスタイル 糖尿病合併症 運動療法
 息が軽く弾む、もしくはそれ以上の強度で行う身体活動「中高強度身体活動(MVPA)」を、継続時間が10分未満であっても少しずつ積み重ねることで、要介護のリスクを下げられることが、福岡県糟屋郡篠栗町と九州大学などの共同調査で明らかになった。
WHO推奨の運動時間より短くても効果がある
 「中高強度身体活動(MVPA)」は、エネルギー消費量が安静時の3倍以上の運動のことで、やや速度を速めたウォーキング、階段の昇降、自体重を使った軽い筋力トレーニング、掃除機かけ、バレーボール、子どもとの遊びなどの運動・身体活動が相当する。

 スポーツを長時間行わなくとも、こうした日常的な運動や身体活動を行うだけで、要介護化リスクを軽減できることが示された。こうした運動は、やればやるほど効果があるという。

 福岡県糟屋郡篠栗町は、2011年から、九州大学健康・運動疫学研究室(代表:熊谷秋三・九州大学キャンパスライフ・健康支援センター教授)と共同で、介護予防のための研究である「篠栗元気もん調査」を実施している。

 今回の研究では、2011年時点に65歳以上だった篠栗町住民1,678人を対象に、調査開始時点でのMVPAの実施状況と、その後6年間の要支援・要介護認定との関連を調査した。

関連情報
篠栗町住民1,678人を6年間調査
 その結果、MVPAを10分未満継続して行い、1日あたりの平均時間が長くなるほど、要介護化リスクが低くなることが示された。

 今回の研究は、三軸加速度計内蔵の活動量計により得られた客観的なデータを用いてMVPAとその継続時間を厳密に規定し、MVPAと要支援・要介護認定との関連をより正確・詳細に評価した点が特徴となる。

 世界保健機構(WHO)は、「健康増進のためにMVPAは1回あたり10分以上継続すること」を推奨しているが、高齢者にとってこの条件は心理的にも肉体的にもハードルの高いものだ。

 今回の研究で、これに満たさない「1回10分未満の運動」でも効果があることが明らかになった。

日常のスキマ時間を活用して運動 少しずつでも効果が
 日常の生活の中でスキマ時間などを活用して少しずつでも良いので、中高強度の身体活動を行い、そうした活動を増やしていくことで、要介護リスクを軽減できる可能性が示された。

 「篠栗元気もん調査」には、2015年からは福岡工業大学身体活動研究室(代表:楢﨑兼司教授)も参加。より良い介護予防事業を行うための知見獲得を目的に、現在も継続されている。

 篠栗町では、このエビデンスにもとづき、介護予防事業のさらなる発展や、町民への啓発活動を積極的に進めていくとしている。

 今回の研究の詳細は、米国の老年学雑誌「Journals of Gerontology: Medical Sciences」に掲載された。

九州大学キャンパスライフ・健康支援センター
篠栗町地域包括支援センター
福岡工業大学社会環境学部
Dose-Response Association Between Accelerometer-Assessed Physical Activity and Incidence of Functional Disability in Older Japanese Adults: A 6-Year Prospective Study(Journals of Gerontology: Medical Sciences 2020年3月5日)
[ Terahata ]

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