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2019年02月26日

700万人の健康づくり「アスマイル」始動 運動を促進 大阪府

 大阪府は、ウォーキングや健康イベントへの参加、特定健診を受診するなど健康行動をした府民に対し、電子マネーやクーポン券と交換できるポイントを付与するサービス「おおさか健活マイレージ アスマイル」を開始した。府民の健康増進への意識を引き上げ、特定健診の受診を高めるなどの狙いがある。
健康意識の向上と実践を促す仕組みづくり
 大阪府の1人当たり国民医療費は全国6位、とりわけ後期高齢者の1人当たり医療費が4位と他府県に比べ高額だ。また、府民の平均寿命や健康寿命、特定健診・がん検診の受診率、朝食欠食率、喫煙率、健康への関心など、多くの健康指標は全国が低位にとどまる。

 府は、後期高齢者数が2025年にかけて全国4番目の増加率で増えると予想しており、医療費はさらに増額すると見込んでいる。

 こうした状況に対策するため、府は「大阪府健康づくり支援プラットフォーム」整備等事業を府内の全域で展開する。とくに働く世代を中心に、広く健康意識の向上と実践を促し、健康寿命の延伸と医療費の適正化につなげたい考えだ。

 同事業は、府民の健康づくり活動に対し、ICTを活用しポイント還元を行い、マイページで健康情報などを見える化し、継続的な健康づくり活動の促進をはかるもの。蓄積されたデータを分析した上で、将来的に府民への効果的な健康づくりと医療費適正化施策の実施につなげる狙いもある。

関連情報
インセンティブを設け、自発的な行動を促す
 開始したサービスの名称は「おおさか健活マイレージ アスマイル」で、約700万人の18歳以上の府民が対象となる。

 ウォーキングや特定健診の受診、健康イベントへの参加などの健康行動に対しポイントが付与され、一定のポイントが貯まると抽選に参加できたり、電子マネーなどの特典と交換できる仕組み。

 サービスへの参加にインセンティブを設けることで、参加者の自発的な行動を促す仕組みになっている。

 サービスの特長は以下の通り――。

(1) 継続的な参加を促進
 自分の健康行動(ウォーキングや特定健診の受診、健康イベントへの参加など)を記録することでポイントが付与され、たまったポイントに応じて、週次・月次で実施する抽選への参加や、電子マネーなどの特典と交換できる。

(2) さまざまなバイタルデータを活用可能
 歩数データに加え、歯みがきや健康に関するコンテンツの閲覧、健康イベントへの参加などの健康行動をポイント化することが可能。また、歩数、血圧・体重などの毎日の健康記録、特定健診データや医療費通知などを個人ページにて見える化し、医療費通知やジェネリック医薬品差額通知も行うことで、府民の健康意識の向上に寄与する。

 専用スマートフォンアプリ「アスマイル」のダウンロードが必要で、アプリでは府内のウォーキングコースも表示し、チェックポイントを回ると証明書を獲得できる。歩いて見つけたスポットやグルメ写真などの投稿も可能だ。

 専用の歩数計を購入するだけでも参加できる。その場合は、府内に設置されたリーダーに歩数計をかざすと歩数が記録され、パソコンなどでプログラムに参加できる。

 2019年1月から同年5月日まで、大阪市、門真市、岬町の在住者を対象にモデル事業を行い、同年10月から、府内の全ての市町村で事業を展開する。
府民1万人の参加が目標
 「おおさか健活マイレージ アスマイル」の協力企業には、NTTドコモ、ドコモ・ヘルスケア、イオンモール、イオンリテール、オムロン ヘルスケア、サンスター、総合メディカルの7社が名を連ねている。NTTドコモは、dポイントや、歩数計、歩数計アプリなどを提供するとともに、ドコモショップを通じて同プログラムの認知拡大をはかる。

 専用アプリ「アスマイル」に加え、歩数計アプリ「アスマイル プラス」をダウンロードすると、年代別の歩数ランキングや、GPSと連動したスタンプラリーにも参加でき、ウォーキングを楽しみながら、歩数を伸ばせるようになっている。

 府の健康医療部では、「府民が気軽に参加できるサービスになっている。まずは1万人の参加を目標に、健康づくりへの取り組みを促す。将来は医療費適正化施策の実施につなげたい」と話している。

大阪府健康づくり支援プラットフォーム整備等事業について(大阪府 2019年1月24日)
おおさか健活マイレージ アスマイル
大阪版健康・栄養調査(大阪府 2017年4月7日)
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

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