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2018年03月23日
食事を「朝型」にすると糖尿病が改善 体重が減り血糖値も安定
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- ライフスタイル 糖尿病の検査(HbA1c 他) 食事療法
2型糖尿病と肥満のある患者は、朝食を高カロリーにするよう食事を調整すると、体重が減少し、インスリン量も減り、血糖コントロールが改善するという研究が発表された。
食事パターンを「朝型」にすると血糖コントロールが改善
食事パターンを「朝型」にすると、体重が減り、糖尿病の人では血糖コントロールが改善するという研究を、イスラエルのテルアビブ大学が発表した。
この研究は、イスラエル保健省の支援を受けて実施されたもので、イリノイ州シカゴで開催された第100回米国内分泌学会年次総会(ENDO 2018)で発表された。
肥満や過体重の人に共通する食事スタイルとして、夕食でドカ食いをしてカロリーを摂り過ぎる「ビックディナー」がある。
この食習慣を改めて、なるべく朝食でカロリーを多めに摂り、昼食は平均的、夕食を小食にするよう調整すると、1日の摂取カロリーは同じでも、体重が減りやすい。糖尿病の人では必要なインスリン量が減り、血糖コントロールが改善するという。
「多くの人が食事で気にすることは、どんな食品を食べるかとカロリーを抑えることですが、もっと重要なことがあります。それは、食事を摂る時間と頻度です」と、テルアビブ大学医学部のダニエラ イカボヴィッチ教授は言う。
「私たちの体の代謝機能は1日を通して変化しています。同じパンを朝食で摂るのと、夕食で摂るのとでは、グルコース反応が異なります。朝食で摂った時の方が、体重が減りやすく、痩せやすいのです。糖尿病の人では血糖コントロールが改善します」と、イカボヴィッチ教授は指摘している。
関連情報
朝食が体と頭が活動を開始するためのスイッチに
食事パターンが朝型になると、食欲を抑えられ、脂肪燃焼量が増加することは、過去の研究でも確かめられている。朝型の食事がとくに影響するのは「体内時計」だ。
食事は、体内時計を調整する因子として働き、食事をいつ食べたのかを目安に、運動や休息に適した体内リズムが調整される。
朝食は特に重要で、体と頭が活動を開始するためのスイッチとなる。体内時計は絶食を長時間続けた後の食事によって調整される、つまり朝食が体内時計をリセットしやすいということが分かっている。
朝食を抜くと、学習や運動能力のパフォーマンスが低下したり、やる気も低下するという研究も報告されている。また、朝食の摂取頻度が少ない人ほど肥満になりやすいという報告もある。
同じ量の食事であっても、摂取時刻によってエネルギー代謝に与える効果は異なる。朝食を抜く頻度が高かったり、夜食や間食の頻度が高い人ほど2型糖尿病や肥満のリスクが上昇する。
食事をとる時刻も体内時計に影響する。1日の最後の食事は夕食だ。夕食をとる時刻が遅いと、体内時計に狂いが生じ夜型になり、心身の不調を引き起こしかねない。
食事を朝型にすると血糖値が低下 インスリン投与量も減少
食事を1日に6回に分けるダイエットは効果が薄い
食事を1日に6回に分けるダイエットは、朝、昼、夕の3回の食事に加え、3回の間食を加え、合計で1日6食を摂るというもの。1日の摂取カロリーを6回に分けるため、1食の量が少なくなる。
間食を数時間ごとに摂ると、下がり始めた血糖値がまた上昇して安定するので、空腹感を抑えられ体重が減りやすいと考えられている。
しかし、今回の研究では、2型糖尿病患者が1日に6回の食事を摂ると、予想していたよりも体重が減らず、血糖値もそれぼと下がらないことが示された。
体重は3ヵ月間で1.4kg増え、平均血糖値は最初の2週間で171mg/dLから162mg/dLに低下し、3ヵ月後には171から154mg/dLに低下したが、いずれも朝食をしっかり摂ったグループには及ばなかった。
「重要なことは、朝食をしっかり摂ると、体重がベースライン時から変わらない場合でも、2週間後に血糖値の有意な低下がみられたことです。3種の食事のカロリー配分を変えて、朝食にボリュームをもたせることで、血糖変動に迅速で有益な効果をもたらすことが示されました。体重が減少すれば、さらに改善できる可能性があります」と、イカボヴィッチ教授は言う。
High-energy breakfast promotes weight loss, helps reduce total daily insulin dose for type 2 diabetes(米国内分泌学会 2018年3月20日)Is 'when we eat' as important as 'what we eat'?(ロンドン大学キングスカレッジ 2016年6月22日)
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所
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