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2018年01月25日
カラフルな野菜や果物が糖尿病リスクを低下 抗酸化物質を摂ると糖尿病リスクが27%低下
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野菜や果物など、「抗酸化物質」が豊富に含まれる食品を十分に摂ると、2型糖尿病のリスクが低下することが、「フランス国立保健医学研究機構」(INSERM)の研究で明らかになった。この研究は、欧州糖尿病学会(EASD)の医学誌「ダイアベトロジア」に発表された。
活性酸素は2型糖尿病の原因のひとつ
「抗酸化物質」とは、活性酸素の発生やその働きを抑制したり、活性酸素そのものを取り除く物質のことだ。「抗酸化ビタミン」や「ポリフェノール」などの種類がある。
呼吸によって体内に取り込まれた酸素の一部は、活性酸素やフリーラジカルになり、これらは正常な細胞や遺伝子を攻撃(酸化)してしまう。活性酸素が増えると血管内皮に障害が起き、動脈硬化が進行しやすくなり、心筋梗塞や脳卒中、がん、炎症の原因になる。
体には本来、活性酸素を抑える働きが備わっているが、年齢を重ねるとともにこの働きは低下していく。ストレス、たばこ、アルコールの飲み過ぎ、激しい運動、紫外線なども活性酸素が増える原因になる。
2型糖尿病の原因のひとつとして考えられているのは、細胞内の酸化反応が原因で炎症を引き起こされることだ。そのためインスリンを分泌する膵臓のβ細胞に傷害がもたらされると考えられている。これらの細胞が適切に機能できるように障害を取り除くことが、血糖値を正常に維持するために重要となる。
野菜や果物で抗酸化物質を補給
野菜や果物には抗酸化物質が豊富に含まれているので、十分に摂取したい食品だ。1日に野菜を350g、果物を200g摂取することが推奨されている。日本の国民健康・栄養調査では、この量の野菜や果物を摂ると、カルシウム・カリウム・ビタミンC・食物繊維などの栄養素を十分に摂れることが分かった。
「抗酸化ビタミン」は、活性酸素の働きを抑える作用を持つビタミンで、「ビタミンA」「ビタミンC」「ビタミンE」などがある。このうち野菜や果物に含まれるビタミンAは「β-カロテン」で、活性酵素の発生を抑え、取り除く働きをする。
「ポリフェノール」も抗酸化物質として注目されている。ポリフェノールには、ブルーベリーなどに含まれる「アントシアニン」、大豆に含まれる「イソフラボン」、赤ワインに含まれる「レスベラトロール」、緑茶に含まれる「カテキン」、紅茶などに含まれる「テアフラビン」、コーヒーに含まれる「クロロゲン酸」、そばに含まれる「ルチン」などがある。
抗酸化物質を摂ると糖尿病リスクが27%低下
抗酸化物質がインスリン抵抗性を改善?
調査では、抗酸化物質のスコアを上昇させている主な食品は、野菜や果物、紅茶、コーヒー、赤ワインだった。野菜や果物に加えて、コーヒーや紅茶、ブルーベリーやストローベリー、クルミやヘーゼルナッツなどのナッツ類、赤ワインなど、抗酸化物質が特に多く含まれる食品を意識して食べることが有用である可能性があるという。
「それぞれの栄養素がどのように2型糖尿病のリスクに影響をもたらすかを解明するのは難しいのですが、抗酸化物質が豊富に含まれる食品を摂ると良い効果を得られることは明らかです」と、INSERMのガイ ファグラジィ氏は言う。
呼吸によって体内に取り込まれた酸素の一部は、活性酸素や「フリーラジカル」になる。フリーラジカルは、さまざまな生体成分と反応し、タンパク質を変性させたり、細胞膜の脂質成分などと反応すると過酸化脂質を生じる。結果として、動脈硬化・老化・がんなどの多くの疾患をもたらす原因となる。
「食物から摂取する抗酸化物質がフリーラジカルの影響を相殺していると考えられます。これに加えて、抗酸化物質は血糖を下げるインスリンの効きが悪くなるインスリン抵抗性の改善にも役立っている可能性があります。今後の研究で解明する必要があります」と述べている。
Consumption of antioxidant-rich foods is associated with a lower risk of type 2 diabetes, study shows(Diabetologia 2017年11月7日)Dietary antioxidant capacity and risk of type 2 diabetes in the large prospective E3N-EPIC cohort(Diabetologia 2017年11月9日)
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所
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