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2017年03月10日
増える1型糖尿病のプロスポーツ選手 レアル マドリードの選手も
1型糖尿病のプロスポーツ選手は増えている。絶大な人気を誇るスペインのプロサッカーチーム「レアル マドリード」で活躍するスター選手の「ナチョ」も1型糖尿病だ。
「糖尿病は障害にならない」と、選手たちは主張している。
1型糖尿病は主に自己免疫機序により膵臓のβ細胞の破壊され、インスリンの欠乏が生じて発症する疾患。β細胞が破壊・消失した結果、インスリン依存状態になり、生命を維持するためにインスリン投与が必要となる。
2型糖尿病が生活習慣や肥満と関連が深いに対し、1型糖尿病は、生活習慣や肥満と関連なく発症する。小児から思春期に発症するケースが多いが、中高年で発症する患者も少なくない。
「糖尿病は障害にならない」と、選手たちは主張している。
レアル マドリードのスター選手が糖尿病 「糖尿病はチームメイト」
「ナチョ」ことホセ イグナシオ フェルナンデス イグレシアス選手は、絶大な人気を誇るスペインのプロサッカーチーム「レアル マドリード」で活躍するスター選手だ。
ナチョは12歳のときに1型糖尿病と診断された。最初に診療した医師は専門医ではなく一般医だった。その医師に「サッカーはあきらめなければならない」と言われたときは、目の前が真っ暗になったという。
しかし、その後に主治医となった内分泌代謝専門医から「サッカーをあきらめる必要はない。むしろ運動は非常に重要だ」と告げられ、治療が開始された。その翌月曜日から、ナチョのサッカー人生は始まった。
「もしもあたなが糖尿病であるなら、そうでない人よりも健康に3倍気を遣わなければならないかもしれない。でも、そのことは必ずプラスになる。食事や休息のとり方に気をつけるようになるし、インスリン製剤や血糖自己測定器などを持ち歩くようになり、自分の体に対し責任感を抱くようになる」と、欧州サッカーを統括する「欧州サッカー連盟」(UEFA)のインタービューに答えている。
「1型糖尿病を根治する方法がみつからない限り、一生付き合っていかなければならない。それは、自分の傍らに常にチームメイトがいるようなものです」と、ナチョは言う。
1型糖尿病のフットボール選手と野球選手
糖尿病は障害にならない
「糖尿病は完全で健康的な生活をおくる上で障害になりません」。このことをサッカー選手で元スウェーデン代表のパル ゼッターベリ選手は証明している。
ゼッターベリ選手が19歳で1型糖尿病と診断されたときは「いつも喉が渇いており、体重が急激に減り、体に力が入りませんでした。病院で検査を受けると血糖値が通常の4倍も高いことが分かりました」と言う。
ブリュッセル大学医学部のハリー ドーティー教授の治療を受け、「1日4回のインスリン注射を始めてから、すぐに体調が良くなり、怪我をしていた足も治りました。サッカーのトレーニングを妨げないインジェクションルーチンも確立しました」。ゼッターベリ選手は1997年にはスウェーデン年間最優秀選手に選ばれた。
「糖尿病に邪魔をされたことはありません。むしろ糖尿病は私を鼓舞してくれました」と、ゼッターベリ選手は言う。
Madrid's Nacho on diabetes: 'I was told my footballing days were over'(欧州サッカー連盟 2017年3月3日)Diabetes: Patients tell their stories(欧州委員会 2013年3月18日)
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所
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