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2017年01月19日
糖尿病のフットケア 寒い冬に足を守るための5つのアドバイス
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糖尿病のある人は寒い冬にはフットケアにとりわけ注意する必要がある。冬に足を健康に保つために、米国足外科学会(ACFAS)は次の5つのアドバイスを発表した。
冬はフットケアが必要 最悪の場合は足切断に
糖尿病の人が血糖コントロールの不良の状態が続くと、神経障害や感染症を引き起こし、足の問題が深刻なものになるおそれがある。適切なケアを行わないと、最悪の場合は足切断という事態になりかねない。
「糖尿病のある人は寒い冬にはとりわけ注意が必要です。適切に予防策を講じる必要があります」と、米国足外科学会(ACFAS)はアドバイスしている。
「糖尿病患者さんが血糖コントロールが不良な状態が続くと、足の血行が悪くなり、神経障害が進行しやすくなります。ご自分の感覚のみに頼らないで、気候の変化に合わせて、適切なケアを行い、足を健康に保つ必要があります」と、米国足外科学会のメンバーで足病専門医のマイケル アンブロジアック氏は言う。
「糖尿病患者さんの足の病気の直接的な原因としては、神経障害と血流障害の2つがあげられます。さらに、高血糖の状態が続くと免疫力が低下します。そうなると皮膚への細菌感染が起こりやすい状態になります」と、アンブロジアック氏は説明する。
5つの対策で冬も足を健康に保つ
冬に足を健康に保つために、米国足外科学会は次の5つのことをアドバイスしている。
1 足を毎日チェックする
足のお手入れは簡単です。足の異常が起きていないかを、毎日チェックしてください。ハンドミラーを使って、足の甲部や裏側、指の間などを見て、切り傷、亀裂、水疱、乾燥肌、赤み、圧痛などがないか、チェックしてください。
問題を発見した場合、できるだけ早く医師に診てもらい、足のケアを受けて、足の状態を良好に維持しましょう。できればフットケアを行っている専門的治療を行える医療機関が勧められます。
2 足が濡れたときはしっかり乾燥させる
雨や雪が降ると、靴の中に湿気がたまり蒸れやすくなります。また、通気性の悪い靴をはく機会が増える冬は、汗がこもりがちになります。
汗や水が蒸発せずにこもると、細菌が発生し、感染が引き起こされやすくなります。足が濡れている場合は、乾いた清潔なタオルで水気をふきとり、靴下を代えることが大切です。
足を洗った後も、水気をよく拭きとる必要があります。皮膚を傷つけないよう、こすらずに押さえるようにしてふきとりましょう。
3 冬は足も乾燥しやすい 保湿して乾燥対策を
皮膚が乾燥すると皮脂膜が少なくなり水分が蒸発します。皮脂腺がなく汗腺が多い足裏は、特に乾燥しやすいのです。
足の皮膚が乾燥している場合は、ひび割れを起こさないように、保湿クリームなどを塗って保湿しましょう。
ボディークリーム、ボディーローション、ハンドクリームなどで、とりあえず保湿してみて、体に合ったやり方を見つけることが勧められます。
塗り方のポイントは、足先も忘れず、足全体に満遍なく塗ること。ただし、指の間に塗ると、水虫の原因になるので、この部分は避けましょう。
4 神経障害が進行すると、温度に対する感覚が鈍くなる
神経障害は、糖尿病の合併症の中で、もっとも頻度が高く症状も早期にあらわれます。手足の先に痛みやしびれといった症状が生じ、次第に体にさまざまな症状があらわれます。
「糖尿病患者の多くは皮膚の知覚障害を合併しています。痛みを感じなかったり、感じにくくなります」と、アンブロジアック氏は説明する。
神経障害が進行すると、皮膚の温度に対する感覚が鈍るため、暖房器具を高めに設定したり、必要以上長時間にわたって使用してしまったりなど、「低温やけど」を起こしやすくなる。
はじめは赤く腫れたり、水泡ができたりしますが、放っておくと傷がひどくなり、感染を起こし、壊疽まで進展する場合がある。
また、糖尿病の人では足の動脈が細くなったり、詰まったりしやすくなり、傷に血液が十分行き渡らず、傷が治癒しにくいケースがある。
さらに、血糖コントロールが悪い患者さんの場合は、免疫力も低下し化膿しやすくなるため、やけどの治療がより難しくなり、足潰瘍や壊疽のもとになってしまう。
5 「低温やけど」に注意 暖房器具を高めに設定したり、長時間使用しない
「低温やけど」は、熱によって皮膚がダメージをうけることだ。体温より少し高い温度、40度程度の温度でも「低温やけど」は起こる。
「低温やけど」の原因の主なものは、電気ストーブ、電気カーペット、電気毛布、カイロ、コタツ、湯たんぽなど。重症ではないと思い、放置され重症化する場合も少なくない。
「糖尿病患者さんの場合は、神経障害により"熱い"と感じる感覚が低下するため、暖房器具やカイロなどを、必要以上に長時間にわたって使用してしまい、低温やけどを起こしやすいのです」と、アンブロジアック氏は指摘する。
低い温度でも皮膚に直接当たる時間が長ければ長いほど、「低温やけど」は起こりやすくなる。
眠っている間は、感覚も鈍くなっており、長時間同じ姿勢を保つので、暖房器具を心地良いと思って使っていると、「低温やけど」が起こることがある。
「靴の中に入れるカイロや、貼り付け式カイロを、使用しないようにしましょう」と、アンブロジアック氏は注意を促している。
なぜ冬に足がつりやすくなるのか?
就寝中に急にふくらはぎなどがつった経験はないだろうか? 糖尿病患者は神経障害のために、よく足がつることがある。糖尿病で末梢の血流の循環が悪くなっていることも、原因のひとつと考えられる。
もうひとつの原因は水分不足だ。冬になると、水分の摂取量が減るため、就寝中に脱水症状を起こし、血流障害が生じやすくなる。
予防するために、水分を適切に摂取することが必要だ。足がつるのを防ぐために、就寝前や、風呂から出た後に、コップ1杯の水分を摂るようにしよう。
また、ストレッチや軽い運動で血流を改善してから就寝すると効果的だ。
Foot Care(米国糖尿病学会 2014年10月10日)
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所
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