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2016年11月25日
1型糖尿病患者さんの手記公開 「80歳からのインスリンポンプ療法」
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神戸大学医学部附属病院 糖尿病内分泌内科・廣田勇士医師のもとへ通うT.M.さん(84歳・男性)は糖尿病を発症して17年ですが、1型糖尿病と診断されたのは6年前。当時78歳と高齢ではあったものの非常にお元気で、「1型糖尿病のことをよく知りたい。コントロールをしっかり出来るようになりたい」と意欲的な患者さんだったそうです。
日頃から、エクセルで日々の血糖推移を表にして持参する研究熱心なT.M.さんは、「今度はポンプがしたい!」とご自分から要望。まわりにインスリンポンプ療法をしている患者さんがたくさんおり、患者会でも意見交換されていたので、次の治療ステップとして当然の選択だったようです。
投稿者:T.M.さん(84歳、男性、1型糖尿病)
今年で84歳という高齢患者のポンブの日々を知ってもらいたく、投稿しました。私の糖尿病がわかったのは今から16年前の2000年、68歳のときでした。その後、71歳でペンタイプでのインスリン注射療法を開始しました。それまでは勤めのため、職場の出張・接待等の時の食前測定や注射が人前でやりづらく、場所探しや低血糖に対する恐怖でこの先どうなるのかと悩んでいました。
そして、2013年(81歳)の春から、インスリンポンプ療法をスタート。悩んでいた暁現象も無くなり カーボカウントの方法を覚えることによって食事の際に注射するインスリン量がある程度把握できるようになりました。さらに2015年には、CGM付きの新型インスリンポンプ(SAP)が日本でも使えるようになったことを知り、すぐに着用を希望。早速、3月から使用を開始したのです。
※SAPとは?
「SAP」(Sensor Augmented Pump)は、インスリンポンプに「パーソナルCGM」(Continuous Glucose Monitoring)機能を搭載したシステム。患者さん自身で血糖変動を随時確認できることが大きな特徴。CGMトランスミッタ(送信器)と通信することにより、パーソナルCGMとしても使用でき、毎日のCGMグラフや血糖値の平均値、アラームの発生回数を最大3カ月間記録。センサグルコース値が一定の範囲を超えて上昇また低下するとアラート(音やバイブでお知らせする)機能がお知らせ。予期せぬ高血糖や低血糖への早期対応がしやすくなる。
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