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2015年11月06日
ウォーキングは「脳の健康」を高める 脳卒中による認知障害を改善
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カナダのブリティッシュコロンビア大学の研究によると、活発なウォーキングを習慣として続けると、軽度の認知障害を発症している人の記憶力や注意力を高める効果を得られるという。
最近の研究では、軽度の脳卒中であっても脳の血管に障害をもたらし、認知症の原因になることが知られており、「血管性認知機能障害」(VCI)という考え方が提唱されている。脳卒中を早期に予防・改善することが、認知症を予防するために重要とされている。
「VCIと診断された人でも、週に合計180分、1日30分のウォーキングを続ければ、認知能力を高め認知症を予防できる可能性が高いことが分かりました」と、ブリティッシュコロンビア大学の老化・運動・認知神経学研究所のテレサ リウ-アムブロゼ氏は言う。
リウ-アムブロゼ氏らは、MRI(核磁気共鳴画像法)スキャンで脳を検査し、VCIと判定され軽度の認知障害が認められた56~96歳の71人の患者に参加してもらい試験を行った。
参加者を2つのグループに分け標準的な治療を受けてもらった上で、▽1つめのグループにはウォーキングなどの有酸素運動を1回60分、週に3回行ってもらい、▽2つめのグループには運動をしないで食事に関する教育セミナーを月に1回受講してもらった。
運動を続けた参加者は体重が減り、身体能力が向上していた。MRIスキャンで脳を検査したところ脳卒中も改善していた。
リウ-アムブロゼ氏らは過去の研究で、軽度の認知障害のある女性が1日60分のウォーキングや筋力トレーニング、バランス運動を週に2回、6ヵ月続けると、脳の「海馬」のサイズが大きくなることを確かめている。海馬は言語記憶や学習に関与する領域だ。
運動を習慣として行うことで、認知機能や脳の全体的な健康維持に良い影響がもたらされることは多くの研究で確かめられている。
「ウォーキングなどの有酸素運動を続けることで、軽度の脳卒中のある人やVCIを発症した人でも認知能力の向上できることが確かめられました。運動は認知症を発症する危険性がある人でも海馬の収縮を遅らせることが示されています」と、リウ-アムブロゼ氏は言う。
「ウォーキングはいつでもどこでも、安価に行える運動です。認知症のリスクの高い人では、ポピュレーションレベルで運動を奨励することが望ましいといえます」とまとめている。
Aerobic exercise is as good for the older brain as it is for the body(ブリティッシュコロンビア大学 2015年7月23日)
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