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2015年09月23日
疲れをとるために質の高い睡眠を 心地良く眠るための5ヵ条
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- 糖尿病合併症

毎日十分な睡眠時間を確保し、朝に気持ちの良い目覚めを得るために、睡眠の質を高める工夫が必要だ。日常で少し気を付けるだけで睡眠を改善できると、アラバマ大学バーミンガム校の内科医であり睡眠医学の専門家であるエイミー アマラ氏は指摘している。
室温は睡眠の質に大きな影響を与える。暑い、あるいは寒いと感じると、ノンレム睡眠が中断され、睡眠の質が悪化する。
研究では、睡眠にとって最適な室温はおよそ20度と比較的低いことが判明している。エアコンのタイマー機能を利用すれば、気温を簡単に設定できる。室温を調整して、睡眠に適した温度に管理すると効果的だ。
体温が0.5度くらい上昇すると寝付きが良くなる。38度のぬるめのお湯で25~30分、42度の熱めのお湯なら5分程度の入浴で、体温がちょうど良い加減に上昇する。
また半身浴でも寝付きが良くなる効果が認められている。腹部までを湯船につけ、熱めのお湯で30分ほど軽く汗をかく程度に入浴するのが半身浴だ。自分の体調や好みにあった入浴法を知っておくと便利だ。

このメラトニンの分泌はわずかな光で乱れやすい。ハーバード大学医学部の研究によると、明るい室内灯を浴びるだけでメラトニンの量が50%減るという。
家庭の照明(照度100~200ルクス)でも、長時間浴びるとメラトニンの分泌が抑制され、体内時計が遅れる原因になるので、夜は明るい光を浴びないようにしよう。
この傾向は特に青色の光で強まり、オレンジ色の光では弱まる。寝室の照明は黄色やオレンジ色などの暖色系にすると、質の良い睡眠を得やすくなる。
マウスを使った研究では、食事をとる時間を昼夜で逆転させると、食事をとることで大脳皮質や肝臓の活動が活発になり、睡眠をとれなくなることが分かった。
また、コーヒー・緑茶・チョコレートなどカフェインが含まれる飲食物は覚醒作用があるので注意が必要だ。これらの食品は、就寝の5~6時間前から控えた方がよい。
アルコールは睡眠を促進するので、寝酒を飲む人が少なくないが、就寝前のアルコールは決して勧められない。
アルコールが体内で分解されるときに発生するアセトアルデヒドがノンレム睡眠を阻害し、眠りが浅くなってしまう。アルコールは、睡眠全体の質を改善する役にたたない。
ウォーキングなどの長続きする適度な有酸素運動は睡眠の質を高めることが分かっている。運動のタイミングに注意を払えば、さらに良い睡眠が確保できるようになる。効果的なのは夕方から夜の、就寝の3時間くらい前の運動だ。
就寝の数時間前に運動によって脳の温度を一過的に上げると、床に入るときには脳の温度が低下しやすくなり、快眠を得やすくなる。ただし就寝直前の運動は体を興奮させてしまうので禁物だ。
Tips on insomnia, snooze buttons, hot baths, putting phones away and more(アラバマ大学バーミンガム校 2015年8月27日)
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