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2015年09月23日
「塩分の少し摂り過ぎ」で高血圧リスクは上昇 減塩のためにひと工夫
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塩分は、体内の水分量を調整するなど生命維持に欠かせないものだ。しかし、塩分を摂り過ぎると血液中の塩分濃度が高くなり、塩分濃度を一定にするために水分を多くため込んで血液量が増える。すると多量の血液を押し出すのに強い圧力が必要となり、高血圧を発症しやすくなる。
高血圧の状態が続くと、血管壁がダメージを受けて動脈硬化が起こりやすくなる。動脈硬化が進行すると、心筋梗塞や脳梗塞、脳出血などの命に関わる深刻な病気の発症リスクが高まる。
高血圧症の治療ガイドラインで、減塩が高血圧の予防・改善に必要であることが記されているが、日本は世界的に見て摂取量が多い"減塩後進国"だ。その原因は、調味料をはじめとする加工食品などから多くの塩分を摂取していることだ。


特に気をつけたいのはハムや練り物などの加工食品だ。ウインナーソーセージ(1本20g)に0.38g、ロースハム(2枚30g)に0.75g、かまぼこ(2枚30g)に0.75gの塩分がそれぞれ含まれる。塩分量の多い食品を食べる量や頻度を減らす工夫が必要だ。
研究には、2008年7月~2010年6月に健康診断のために病院を訪れた、20歳以上で血圧が正常の4,523人(平均年齢54.1歳)が参加した。研究グループは、2013年6月まで約3年間の追跡調査を実施した。
期間中に、1,027人(22.7%)が高血圧と診断された。開始時の塩分摂取量の平均は男性で11.9±3.0g/日、女性で8.4±2.0g/日だった。
研究の開始時の塩分の摂取量によって、日本の塩分摂取の推奨量を超える「高摂取」と、推奨量以下の「低摂取」の2つのグループに分け比較した。解析した結果、加齢にともない高血圧の発症率は上昇するが、高摂取のグループは、低摂取のグループに比べ、高血圧を発症する危険度が1.25倍に上昇することが判明した。

さらに、塩分摂取量の多い人に減塩指導を行ったところ、高血圧の発症後の男性の平均摂取量は11.7gで減っておらず、指導の効果がないことが判明した。
これについて、研究グループは「減塩指導が適切に行われていない現状が明らかになった。高血圧を発症しても、減塩ができていない人が多い。減塩を実行するために、食事の改善が必要だ。特に高血圧の患者に対して効果的な指導が求められている」と述べている。
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