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2015年07月29日
階段をもっと使うために何をすれば良い? 運動量を増やす方法が判明
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駅などの公共施設やショッピングセンターの階段の目に付きやすい場所にポスター表示をし、15段以上の階段のライザー(階段の垂直面)にカラフルな表示し、利用者に階段を使うメリットをメッセージとして呼びかける実験を行った。
研究チームは、学校や駅などの公共施設で、行き交う人々の目に入るように、階段のライザーに次のような表示をした。実験は、英国の各自治体の協力を得て、バーミンガム、コベントリー、ウォルソール、ダドリー、ノッティンガム、ウースターなどで行われた――
「階段の昇降で燃焼できるカロリーは通常のウォーキングの3倍です」
「階段の昇降でジョギングよりも多いカロリーを燃焼できます」
「1分間に燃焼できるカロリーは階段の昇降の方がテニスよりも多い」
「1日に7分間、階段の昇降をするだけで、心臓病や脳卒中のリスクが低下します」
その結果、階段の使用率は職場施設では12.3%、公共施設では6.4%に増加した。階段の隣にエスカレーターがある施設では、表示を行う前は階段を使う人は約4%だったが、表示後はその割合が10%近くまで増えたという。
イブス氏によると、肥満傾向のある人の方が、こうした表示により敏感に反応する傾向があるという。階段を上る運動では、体重が重いほど消費カロリーが増え、効果も大きくなる。
「スポーツジムに通って運動をはじめようと思わない肥満者も、階段なら上ろうという気になるでしょう。しかも階段の昇降は無料で行えます」と、イブス氏は階段昇降のメリットを強調している.
階段の昇降で消費するカロリーは1分あたり約7kcalだという。1日に400段を昇降すると、およそ100kcalの運動量になる。体重が80kgの男性が、毎日で通勤途中でエスカレーターやエレベーターを使わずに、階段の昇降を1日に10回繰り返すと、1年間で体重を1.4kg減らすことができるという。10年間続ければ体重を10kg減らせる計算になる。
エスカレーターの代わりに階段を使うだけで身体活動量を増やせるが、エスカレーターやエレベーターの方がはるかに便利で楽なのに、どうすれば階段を選ばせられるか。公衆衛生の専門家の多くがこうした悩みをもっている。
コンコーディア大学の研究チームは、階段とエレベーターの位置を離せば階段の利用率が高まるという調査結果をまとめた。
研究チームは、モントリオールの7つのショッピングセンターで、13の階段と12組のエスカレーターの利用をモニターした。35日間の観察期間中にのべ3万3,793名の歩行者がフロアを上下した。
解析した結果、階段とエスカレーターが離れているほど階段の利用率は高まることが判明した。距離が100%離れている場合、上りの客は71%、下りの客は21%それぞれ増加した。
「環境的な要因が改善の使用率にはっきりと影響することば判明しました。もっと階段を使ってもらえるようにするために、環境を調整する必要があります。より階段を使いやすくし、視覚的にも分かりやすくすると、階段の利用率は改善します。新しいビルを建設する場合は、階段の活用をより促す設計にすることが望まれます」と、コンコーディア大学のジョン ザチャリアスは述べている。
A multi-component stair climbing promotional campaign targeting calorific expenditure for worksites; a quasi-experimental study testing effects on behaviour, attitude and intention(BMC Public Health 2012年6月11日)
What makes us more likely to take the stairs?(コンコーディア大学 2015年7月9日)
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