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2015年07月17日
高血圧は脳卒中や心筋梗塞以外の疾患に影響 糖尿病の人は要注意
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そこで研究グループは、国立循環器病研究センターなどが大阪府吹田市で実施しているコホート研究である「吹田研究」で得られた成果をまとめた。
1989年に開始した吹田研究では、都市部の住民を対象に心筋梗塞などの冠動脈疾患の危険度などを調査している。2014年には、10年間の冠動脈疾患を発症する確率を予測する「吹田スコア」を開発した。
吹田研究で判明した高血圧が関連し発症リスクが上昇する疾患としては、心房細動、腎機能の低下などがある。腎機能低下の促進は、脳卒中、心臓病それぞれのリスクを高めることも分かった。さらに慢性腎臓病で、かつ高血圧である場合、循環器疾患に対するリスクが相乗的に高くなるという。
欧米の大規模コホート研究では、高血圧がん発症および死亡リスクとなることが示されている。特に、高血圧が、腎がん、食道がん、膵がんなどの危険因子であることが認められている。
さらに、口腔衛生状態の問題を示す4項目(歯周病、不正咬合、歯牙喪失、歯肉出血)のうち3項目以上該当する人は、高血圧になりやすいという傾向が認められている。
これらの報告により、高血圧には循環器病以外にも、さまざまな疾患と関連していることが示唆された。高血圧の予防や治療を行うことは、循環器病の予防・治療のみならず、多岐に渡る疾患の予防にも関与するので、健康寿命の延伸において重要だ。
今回の研究は、国立循環器病研究センター予防健診部の小久保喜弘医長と、高血圧・腎臓科の岩嶋義雄医長らによるもの。米国心臓学会の高血圧専門誌「Hypertension」の8月号に発表された。
国立循環器病研究センター
Higher Blood Pressure as a Risk Factor for Diseases Other Than Stroke and Ischemic Heart Disease(Hypertension 2015年6月15日)
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