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2015年07月10日
座っている時間が長いと不安になる? 立ち上がって運動をしよう
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- 運動療法

不安症で悩む人は全世界で2,700万人以上に上るとみられており、過度の不安や心配、悩みなどの症状により、日々の生活を満足におくれなくなることもある。さらには心拍数の上昇、呼吸困難、筋肉の緊張、頭痛などの身体的な症状を伴うこともある。
「現代社会では座位中心の生活が増えていることが影響し、不安症の症状を訴える患者は増えています。座位の時間が増えるとうつ症状が増えるという報告もあります。私たちは座位行動と不安症との関連について調べました」と、ティチェン氏は言う。
座位中心の生活を続けると、肥満、心臓病、2型糖尿病、がん、骨粗鬆症のような生活習慣病を発症しやすいことは過去の研究でも指摘されているが、精神的な健康問題との関連について調べた研究は少ない。
そこでティチェン氏らははじめて、座位中心の生活と不安症の関連を調査した先行文献を系統的にレビューした。
研究チームは、1990年から2014年までに発表された研究から、座位行動と不安について検討し先行研究を分析し、最終的に9件の研究をレビュー分析した。2件は小児や若者を含み、7件は成人を対象とした研究だった。
これらの研究では、座位行動は、テレビ視聴やパソコン使用、職場で座っている時間、通勤の座位時間などを含め解析していた。
その結果、5件の研究では座位行動の増加が不安のリスクに関係することが、4件の研究では座位行動の時間の増加が不安のリスクに関係することが、それぞれ示された。
高校生を対象とした研究では、テレビなどを1日に2時間以上視聴すると、2時間未満の場合に比べ、不安のリスクが36%増加することが明らかにされた。
「1日の間に座ったまま過ごす時間が長かったり、家庭でソファーに座る時間が長ければ、潜在的に不安症を発症するリスクが高いと考えられます。仕事が終わった後でウォーキングをするなど、運動を習慣化して対策する必要があります」と、ティチェン氏は言う。
不安症の行動的な因子について解明することは、不安症を予防・管理するための戦略をたてる上で重要だ。
「もしもあなたがオフィスで働いているのなら、1時間のうち数分の時間をつくり、立ち上がって体を動かすことをお勧めします。水を飲みに行く、プリンターまで歩く、立ったままデスクワークを行う、公共の交通機関では座らない、テレビを見ているときはコマーシャルの時間に立ち上がるなど、毎日の生活で工夫することが大切です」。
なお、系統的レビューに含まれたほとんどの研究が横断的な研究であったため、座位行動と不安の間の因果関係を検証するために追跡調査を行う縦断的な研究が必要であると、研究者は指摘している。
Aussie research finds we need to get up for the sake of our mental health(ディーキン大学2015年6月19日)
The association between sedentary behaviour and risk of anxiety: a systematic review(BMC Public Health 2015年6月19日)
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