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2015年06月18日
DPP-4阻害薬「シタグリプチン」の心血管系への安全性を評価
- キーワード
- 医薬品/インスリン

2008〜2012年に38ヵ国の1万4,724例の患者を対象に実施され、主要複合評価項目(心血管疾患による死亡、非致死性心筋梗塞、非致死性脳卒中または不安定狭心症による入院のいずれかが最初に確認されるまでの期間)を調査した。
MSDによると、TECOSではシタグリプチンが心血管系の主要複合評価項目のリスクを増加させないことが示された。心血管系の副次複合評価項目(心血管疾患による死亡、非致死性心筋梗塞または非致死性脳卒中のいずれかが最初に確認されるまでの期間)も達成し、シタグリプチンを追加しない通常の治療に対して非劣性であることが示された(HR:0.99、95% CI:0.89〜1.11)。
主要評価項目の発生は、Intention-to-Treat(ITT)解析ではシタグリプチン群の11.4%(n=839)、プラセボ群の11.6%(n=851)に認められ(HR:0.98、95% CI:0.89〜1.08)、Per Protocol(PP)解析ではシタグリプチン群、プラセボ群ともに9.6%(n=695)に認められた(HR:0.98、95% CI:0.88〜1.09)。
他の副次評価項目である心不全による最初の入院または心血管系死亡までの期間の解析では、心不全による最初の入院または心血管系死亡がみられた患者はシタグリプチン群で7.3%(n=538)、プラセボ群で7.2%(n=525)だった(HR:1.01、95% CI:0.90〜1.14)。心血管系死亡患者の割合は、シタグリプチン群5.2%(n=380)、プラセボ群5.0%(n=366)だった(HR:1.03、95% CI:0.89〜1.19)。
Primary Endpoint met for Trial Evaluating Cardiovascular Outcomes with Sitagliptin (TECOS)(米国糖尿病学会 2015年6月8日)
Trial Evaluating Cardiovascular Outcomes With Sitagliptin
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