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2015年06月17日

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食事療法

脳卒中全国ワーストから脱却 岩手県が「いわて減塩・適塩の日」を設定

 岩手県は脳卒中による死亡率の全国ワーストから脱却しようと、「岩手県脳卒中予防県民会議」を展開している。このほど食生活の改善を推進するために、毎月28日を「いわて減塩・適塩の日」に設定することを決めた。
毎月28日は「いわて減塩・適塩の日」
 岩手県は脳卒中による死亡率の全国ワーストから脱却しようと、2014年9月に「岩手県脳卒中予防県民会議」(代表・達増拓也知事)を設立した。盛岡市で開かれた同県民会議の2015年度総会では、産学官の連携を強化し、事業計画案の新規事業に取り組むことを発表した。

 同県民会議は、同県の脳卒中死亡率が全国でもっとも高く、ワーストからの脱却を目指して設立された。企業・団体の参加数は設立時の103団体から301団体に拡大した。

 食生活の改善運動などを推進するために、毎月28日を「いわて減塩・適塩の日」に設定すると決めた。高血圧から脳卒中につながる過剰な塩分摂取を改め、適塩メニューの提案や健康づくりイベントなどで減塩の意識を高めるキャンペーン活動を展開していく。

脳卒中の死亡率 岩手県は全国ワースト 過剰な食塩摂取が原因
 厚生労働省が実施している「人口動態統計」では、全国の脳卒中死亡率を調査している。2010年の調査によると、人口10万人あたりの脳卒中の死亡率の上位10県は、男性では東北地方に集中している。なかでも岩手県は70.1人でワーストとなっており、全国平均の49.5人に比べ際立って高い。

 脳卒中の大きな原因は高血圧だ。高血圧が続くと、動脈硬化が起こりやすくなり、血管が破れたり詰まったりしやすくなる。岩手県で脳卒中の死亡率が高い要因として、県栄養士会では塩分を多く摂取する食習慣を指摘している。

 岩手県民の1日平均の食塩摂取量は11.8gで、全国でもっとも高い値であり、全国平均より1g以上も多い。「冬に野菜を食べるのに貯蔵する手段が漬け物で、料理の味付けにも食塩が欠かせない。塩分に体が慣れてしまい、どの料理も塩分が多くなる"食塩中毒"に陥っている」と、県栄養士会は指摘している。

 「減塩・適塩の日」には、食品スーパーなどの協力を得て減塩・適塩メニューの試食や提案する献立表の配布を実施するとともに、地域住民が集う健康づくりイベント会場や街頭でキャンペーン活動を推進する。

 岩手県久慈保健所チームが考案した塩分を控えた定食メニュー「アマノミクス定食」は、国立循環器病研究センターが、塩分を控えながらもおいしく食べられる料理を全国から募集する「S-1グランプリ」の、初代グランプリに選ばれた。

 焼き豆腐のステーキに、ホウレンソウのあえ物など全部で5品。塩を使わずにゆずやショウガを使うことで、しっかり味付けする工夫をこらしており、塩分はたったの1.2gしか使っていない。

健康づくりへの取組みは地域社会が中心
 取り組みのひとつとして、各家庭に地元の主婦が塩分測定器を持って訪問する「隣のおみそ汁」調査を開始し、5年間で1万世帯以上の訪問を目指している。

 参考にしたのは長寿日本一の長野県。1981年から3年間の「県民減塩運動」でみそ汁の塩分測定などを行い啓発活動に努めたところ、主婦の1日の摂取塩分量は約5g減少したという。

 「健康づくりへの取組は、これまで、個人に対する取組みが中心でしたが、今後は、個人への対策だけでは解決できない課題への取組みとして、地域社会の健康づくりを進めていくことが必要です」と、同県民会議では強調している。

 今年度事業計画では、8月1日に盛岡市で脳卒中予防県民大会を開催するほか、食生活改善キャンペーン事業を展開する。

 健康運動事業として優良な取り組みを率先している企業・事業所を表彰する制度を創設し、いわて国体を機に健康運動の習慣を定着させる試みや、禁煙推進事業の継続なども掲げている。

岩手県脳卒中予防県民会議を設立(岩手県 2014年9月16日)
第1回S-1g(エス・ワン・グランプリ)大会 結果発表(国立循環器病研究センター)

[ Terahata ]

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