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2015年06月04日
汗をかく夏に気になる体臭 ワキガを防ぐ効果的な方法は
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- 糖尿病合併症

実は人の皮膚や汗自体にはとくに臭いはないが、汗皮や脂などが細菌によって分解されることで臭いが発生する。
汗を出す汗腺には、全身に分布してほぼ水分の汗を出す「エクリン汗腺」と、ワキの下などの一般的に体毛が多い部分にある「アポクリン汗腺」の2種類がある。
ワキの下の臭いは主に、アポクリン汗腺から出る尿素やアンモニアを含んだ汗が、皮脂腺から分泌される脂質や、皮膚の表面のタンパク質と混ざり合い、皮膚や毛包にひそんでいる常在細菌によって分解されることで発生する。

ワキの下の臭いを軽減させる方法には次のようなものがある――
● ワキの下を清潔にする
シャワーを1日に1回以上を浴びて汗を流し、皮膚などにいる細菌の数を減らす。抗菌セッケンを使えばより効果的だ。
● シャワーの後で良く乾かす
シャワーを浴びた後にタオルでよく拭き、ワキの下をしっかり乾かす。皮膚を乾かすと細菌は増えにくくなる。
● 汗を吸いやすい生地の衣服を着る
汗をかいたら衣服を着替えるようにする。吸汗性に優れたシャツが効果的だ。コットンやウールなどの自然素材など以外にも、吸汗性のあるシャツなどを利用すると、細菌の繁殖を抑えられる。
● デオドラントや制汗剤を使用する
「デオドラント」には、皮膚を酸性にして細菌の活動を抑制する効果がある。一方、「制汗剤」は、汗腺をブロックして発汗量を抑える。ベビーパウダーにもワキの下の臭いを抑える効果がある。
● ハーブを使用する
ワキガの原因になる細菌は、酸性よりアルカリ性のときのほうが繁殖しやすい性質がある。ふつう皮膚表面は弱酸性だが、大量に汗をかくとアルカリ性に傾き、細菌が繁殖しやすい。
デオドラントや制汗剤が体に合わない場合には、自然のアロマを利用するのもいいだろう。レモンやライムの柑橘系のアロマを使い酸性にすると、体臭の軽減に有効という報告もある。
肝臓病を患う人では、体を構成するタンパク質が分解されてできるアンモニアを、肝臓で処理できなくなることがある。そのアンモニアが体の皮膚や吐いた息から放出されると、強い体臭となる。
また、血糖値が高くなっていると、体内で糖を利用できずに、脂肪を燃焼してエネルギーをつくりだそうとする。その際、ケトン体という臭いのもととなる物質が発生し、甘酸っぱい口臭や体臭を生み出す。
いずれも、健診を受け病気を発見し、医療機関で適切に治療することが重要だ。
強い抗菌・殺菌成分の入った制汗剤を長期間にわたって使い、皮膚のかぶれや湿疹などのトラブルを招くことがある。そうした場合では、皮膚科などで多汗症の治療薬として、汗腺を塞いで汗を抑える制汗作用のある「塩化アルミニウム」が用いられる。
ボツリヌス菌がつくる天然のタンパク質を有効成分とする薬をワキの下に注射する「ボツリヌス療法」という薬物療法も効果的だ。薬が神経から汗腺への刺激を抑え、発汗を抑えられる仕組みで、効果は4〜9ヵ月持続する。
根治療法ではないが、こういった治療で8割の患者が体臭を軽減できるという。もし医療機関で治療を受ける際は、事前に医師から十分な説明を受けておこう。
Managing body odour(イギリス国民保健サービス 2014年3月7日)
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