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2015年05月26日
ファストフードを食べ過ぎると腸内細菌が減少 肥満や糖尿病の原因に
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スペクター教授によると、ヒトの体内には数百兆の微生物の微生物が生息しており、体をつくる細胞よりも多いというすさまじい数だ。これらの微生物群がおりなす生態系を、腸内細菌叢あるいは「腸内フローラ」と言う。
腸内細菌を増やすためには、食物繊維を多く含む食品を積極的に食べることが必要だ。食事から摂取した食物繊維が腸内のビフィズス菌や乳酸菌を増やし、悪玉菌の増殖が抑制される。
また、腸内細菌のバランスを維持するために、いろいろな食材を少しずつ食べる食事スタイルが必要だという。食材が豊富な食事をすればするほど、腸内に多様な細菌が住みつきやすくなる。
スペクター教授は、23歳の若者にハンバーガー、チキンナゲット、ポテトチップとコーラからなる食事を10日間続けてもらう実験を行った。その結果、実験前には腸内に3,500種類の腸内菌がいたにも関わらず、10日後には1,300種類が死滅してしまい、腸内フローラが変化してしまったという。
種類の少ない同じメニューの食事ばかりを食べ続けると、特定の細菌にだけ餌が与えられることになり、腸内フローラの共生関係のバランスが崩れやすくなる。
腸内の細菌の中でも"悪玉菌"に対しては餌を与えず減らした方がいいようにも思える。しかし、「単独では悪玉であっても、周囲の菌との共生によって善玉の働きをする菌もある。細菌によって餌となる栄養素が違うのだから、多種類の菌を保つことが何より重要」と、スペクター教授は指摘している。
「ファストフードや加工食品を2日続けて食べただけでも、腸内細菌叢は変わってしまう。現代人は加工食品の食べ過ぎや、抗生物質、ステロイド、免疫抑制剤などの利用により、腸内細菌の数が減っている。腸内細菌を増やす食事スタイルを心がけるべきだ」と、スペクター教授は強調している。
The Diet Myth: the real science behind what we eat(ロンドン キングス カレッジ 2015年4月28日)
Weight influenced by microbes in the gut(ロンドン キングス カレッジ 2014年6月11日)
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