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2015年01月09日
お金や仕事を理由に糖尿病治療をためらう人を救済 足立区
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- おすすめニュース 糖尿病の検査(HbA1c 他)

対象となるのは、区内のさまざまなイベント会場に設置する測定コーナーでHbA1c値6.5%以上とされ、内科受療中でない20〜59歳の区民。
クーポン利用分の費用は区や区医師会などで構成するNPO法人「足立区糖尿病対策推進協議会(ADMS)」が国の補助事業を活用して負担する。
HbA1c値5.6%から6.4%までの人は、メールや電話でのアドバイスを通じて自力で生活習慣の改善を試みる「生活習慣改善プログラム」を利用できる。
昨年12月には、区内のスーパーで看護師が希望者から採血し、血糖値を無料で測定した。104人にHbA1c値測定を行い、7人がプログラムの対象となった。
参加者の中には、すぐにでも医療機関の受診が必要な人もいたという。「お金や仕事などを理由に、受診に結びつかないケースも多い」と、同区の衛生部こころとからだの健康づくり課の担当者は話す。
参加者からは「自覚症状が出ないと、医療機関に行く気にならない。検査を受けはじめて糖尿病のリスクがあると分かった」といった声が寄せられた。
1人当たりの医療費も1,150円と上位にあることが判明。介護を必要とせずに生活できるという「健康寿命」は、東京都の平均より2歳も短かかった。
また、40〜59歳の区民を対象に行った調査では、特定健診でHbA1c値が治療が必要とされる7.0%(NGSP値)以上だった人の4割は治療を受けていなかった。危機感を覚えた足立区は10年ほど前から、糖尿病予防の対策をとってきたが、なかなか効果が出なかった。
そこで、区は2013年に「糖尿病対策」に重点を絞り健康寿命の延伸と医療費の抑制する目的で「足立区糖尿病対策アクションプラン」を策定した。
糖尿病治療が必要であるにもかかわらず未治療の区民に対して、個別勧奨や相談会を設けるなどして、糖尿病を重症化させない取り組みを進めている。

足立区が2014年に行った調査では、「野菜から食べることに糖尿病の予防効果がある」ことを知っている人の割合は73%と高かった。しかし、野菜の1日の摂取量の目標が350gなのに対し、区民の野菜摂取量の平均は254gで、全国1位の長野県の約7割にとどまり、東京都の平均と比較しても低い水準にある。
糖尿病を予防するため、若い男性に野菜を食べてもらいたいと考えた足立区が目をつけたのが外食産業だ。「あだち ベジタベライフ〜そうだ、野菜を食べよう〜」をキャッチコピーに掲げキャンペーンを開始した。
野菜には食物繊維が豊富に含まれ、野菜から食べると血糖値の急激な上昇を抑えられる。また、野菜をよく噛んで食べることで食べすぎを防ぎ肥満防止につながる。
野菜が食べやすくなる環境づくりに協力する小売店や外食店を「足立区ベジタベライフ協力店」として認定する取り組みを開始し、昨年12月までに517店舗を登録した。
さらに、若い世代が食事や運動の習慣が身につくよう、子供の保護者などに対して継続した啓発を行っている。食育やおいしい給食の中で野菜摂取の効果を伝え、野菜から食べる習慣を身につけることで、子どもの頃からの糖尿病予防に取り組んでいる。
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