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2014年10月03日
災害時はCペプチドの値が低い糖尿病患者は悪化しやすい
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- おすすめニュース 糖尿病の検査(HbA1c 他) 糖尿病合併症

研究チームは、2011年3月の東日本大震災後、多くの糖尿病患者を診療して、災害後の糖尿病の状態は患者ごとに大きな違いがあることに気づき、調査を始めた。
宮城県、福島県で大震災に被災した497人の糖尿病患者を、震災前後で糖尿病状態が改善した人と悪化した人に分け、さまざまな検査値を比較した。その結果、「空腹時血中Cペプチド低値」が、糖尿病悪化群と改善群とで違いのある検査値として浮かび上がった。
膵臓のβ細胞ではインスリンとC-ペプチドが同じ量生成されて血中に分泌される。したがって、血中のC-ペプチドの値を測定することで、膵臓β細胞から分泌されたインスリンの量を推定することができる。
糖尿病患者などではしばしば治療にインスリン注射が用いられているため、血中のインスリンの値は注射によるインスリンの影響を受け、必ずしも膵臓からのインスリン分泌能を反映しない。血中C-ペプチドの測定は、実際に膵臓からのインスリン分泌能を知る指標として用いられる。
空腹時血中Cペプチドの値と震災後の糖尿病状態の悪化とが相関し、空腹時血中Cペプチドの値が低い糖尿病患者ほど、震災後の糖尿病の状態の悪化が著しいことが確かめられた。

「空腹時血中C-ペプチドを調べることで、被災後の糖尿病の状態が大きく悪化する患者をあらかじめ把握できるようになる。該当する患者に、前もって被災後の治療や生活に関する指導を重点的に行ったり、災害後に効率的に医療資源を投入すれば、糖尿病状態の悪化やそれに伴う健康被害を未然に防ぐことに役立つ」と、研究チームは話している。
この研究は、東北大学大学院医学系研究科の片桐秀樹教授、今井淳太講師、田中満実子医師らによるもの。米国糖尿病学会(ADA)が発行する医学誌「ダイアベティズ ケア」オンライン版に発表された。
東北大学病院糖尿病代謝科
Glycemic control in diabetic patients with impaired endogenous insulin secretory capacity is vulnerable after a natural disaster: Study of Great East Japan Earthquake(Diabetes Care 2014年10月)
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