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2014年09月05日

朝食を毎日とると子供の2型糖尿病リスクは低下する

キーワード
食事療法
 健康的な朝食をとっている子供は、2型糖尿病を発症するリスクが低下し、逆にほとんど朝食をとらない子供は、糖尿病に関連する検査値が高くなる。朝食をきちんととることが、成長してからの糖尿病予防に必要であることが明らかになった。
朝食をとらないと糖尿病の危険性が上昇
 英国のセントジョージ大学やオックスフォード大学などの研究チームは、英国の9〜10歳の小学生4,116名を対象に横断的研究を行った。

 参加した子供を対象にアンケートをとったところ、朝食を毎日とっている子供は74%(3,056人)で、残りは「ときどき食べない」「毎日食べない」と答えた。

 子供にはどのような朝食をどのくらいの頻度で食べるかを質問し、血液検査では、空腹時の血中インスリン値、インスリン抵抗性、HbA1c値などの糖尿病の発症リスクを知るための指標を測定した。

 朝食をほとんど食べていない子供は、朝食を毎日食べている子供に比べ、空腹時インスリン値が26.4%高く、インスリン抵抗性の指標が26.7%高かった。

 インスリン抵抗性がある状態では、ブドウ糖が細胞に取り込まれにくくなっており、体が正常な血糖値に維持しようとすると、より多くのインスリン分泌が必要となる。

 さらに、クッキーやビスケットなどの栄養価の低い朝食をとっていた子供は、食物繊維の多いシリアルなどの朝食を食べていた子供に比べ、インスリン抵抗性の指標が高かった。

 不健康な食生活が続くと、子供のときから糖尿病の発症リスクは高まっている可能性がある。食物繊維の多い穀物を中心とした朝食をとることが、2型糖尿病の予防に効果的であることが過去の研究でも確かめられている。

 子供の2型糖尿病を予防するために勧められるのは、食物繊維の多い朝食だ。最近は、食物繊維を強化したシリアルを入手しやすくなっている。「ただし、糖質や糖質の摂り過ぎには注意が必要です。ビスケットなどのお菓子を朝食にとるのは勧められません」と、セントジョージ大学のアンジェラ ドニン博士は指摘している。

 朝食を食べる習慣は、子供だけでなく大人にも勧められるという。朝食をとることは、その日の食事パターンに大きな影響をもたらす。朝食をとらないでいると、日中の空腹感が増し、次の食事までに間食をとる可能性が高くなる。

 「間食は高カロリーで高脂肪、高塩分のものが多いので、注意が必要です。子供が親といっしょに食卓を囲んで、健康に良い食事をとることは、バランスの良い食生活につながり、健康面でのメリットが大きいのです。子供の食生活と成長が、成長してからの糖尿病の発症にどのような影響をもたらすか、今後の研究で確かめる必要があります」と、ドニン博士は述べている。

[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

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