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2014年07月29日

「健康な食事」認証マークを導入 来年度にも調理済み食品対象

キーワード
食事療法
 厚生労働省は、国民の「健康寿命」を延ばすことを後押しする狙いで、コンビニやスーパー、宅配サービスなどの弁当や総菜を対象に、栄養バランスなど一定の基準を満たす食品について、「健康な食事」の認証マークを導入することを決めた。
「健康な食事」の認証マークデザイン案を募集
 コンビニやスーパー、宅配などで、手軽に購入できる料理に、健康的な食事の基準を満たしていることが一目で分かるマークを付けることで、偏りのない健康的な食事が取れるようになる。

 新たに導入する制度は、国が示す一定の基準を満たしていれば、企業や店舗が食品に認証マークをつけることができる仕組みになっている。

 ▽炭水化物を多く含む米や麦などの主食、▽タンパク質や脂質の供給源である肉や魚介類を使ったおかず類、▽ビタミンや食物繊維を補給するサラダや煮物などの野菜を使った料理――の3分野に分けて、それぞれ1食当たりの摂取量の基準を設定する。

 この基準をクリアしている商品には容器や包装に認証マークを入れ、マークがついている食品であれば、1食分の栄養バランスを確保できる仕組みとする方針だ。

 具体的な基準は、厚労省の検討会が議論しており、今秋に報告書をまとめる予定。同省は、「健康な食事」の認証マークデザイン案を8月29日まで募集している。来年4月に開始する方針。

 「主食」では食物繊維を取るため、玄米などを精製されていない穀類を一定の割合で使っていることや、「主菜」ではタンパク質の豊富な魚介類や肉類などを、「副菜」ではミネラル摂取のための緑黄色野菜を、それぞれ一定量含むといった内容になりそうだ。

将来は糖尿病患者向け食品も検討
 これまでにも「食事摂取基準」としてカロリーや食塩含有量などの目安が設けられているが、今回導入する制度の認証を受けたものであれば、1食分の栄養バランスや目標値に対してどの程度の割合を占めるかが分かるようになる。

 将来的には、糖尿病患者などを対象にした食事や、介護が必要な高齢者向けの食事でも同様の基準を作ることも検討する。

 政府は6月に閣議決定した新成長戦略では、2020年までに国民の健康寿命を1歳以上延ばすことや、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)人口を08年度比25%減少を掲げている。

 「健康寿命」は、病気や老化に伴う介護を必要とせず、日常的に自立した生活を行える寿命のこと。日本では2010年時点で、平均寿命が男性79.55歳、女性86.30歳に対し、健康寿命の平均は男性が70.42歳、女性は73.62歳となっている。

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[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

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