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2014年01月22日
野菜や果物のフラボノイドが2型糖尿病の予防・改善に有効
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野菜や果物に含まれるフラボノイドの一種である「フラボン」と「アントシアニン」が2型糖尿病の予防・改善に有効であるいう研究が発表された。「フラボノイド類には、インスリン抵抗性を改善し、血糖値を下げる作用がある」と研究者は述べている。
野菜やハーブ、ブドウの皮のフラボノイドが血糖値を下げる
フラボノイドは、野菜、柑橘類、ブドウ、ブルーベリー、緑茶などの果物の果皮に多く含まれる色素成分で、苦味や辛味の成分になっている。多くが強力な抗酸化作用をもっている。
今回、研究者が着目したフラボノイドは「フラボン」と「アントシアニン」。フラボンは、パセリや、タイム、セロリなどの野菜やハーブに含まれている。アントシアニンは、ブルーベリーや、色の濃いブドウ、赤ワイン、赤色あるいは青色の野菜などに含まれている。
研究は、英国のイースト アングリア大学とロンドン大学が共同で行ったもので、米国栄養学会誌に発表された。
18〜76歳の健康な女性1,997人を対象に、食事に関するアンケートを実施し、回答結果にもとづいて、食事から摂取しているフラボノイド類の総量と、6種類のフラボノイドそれぞれの量とを推算した。さらに血液検査により、血糖値、インスリン抵抗性、炎症の程度などを調べた。
その結果、野菜や果物からフラボンとアントシアニンを多く摂取している人では、インスリン抵抗性が改善され、血糖値が低めで、炎症が抑制されている傾向がみられた。
今回の研究から示唆されたことは次の通り――
- フラボノイド類には、インスリン抵抗性を改善し、血糖値を下げる作用がある。
- フラボノイド類には、炎症を軽減する作用がある。炎症が慢性化すると、糖尿病・肥満・心血管疾患・がんなどの発症が促される。
- フラボノイド類には、アディポネクチンを改善する作用がある。アディポネクチンは、脂肪細胞から分泌されるホルモンで、インスリン感受性の亢進、動脈硬化の抑制、抗炎症の抑制などの作用がある。
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[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所
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