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2014年01月08日
「ごはんを主食とした和食」は食事療法に適している 食育健康サミット
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2型糖尿病は、膵β細胞におけるインスリン分泌不全と、全身のインスリン抵抗性のふたつの病態を基軸にして発症する。糖尿病における食事療法は、総エネルギーの適正化によってインスリン分泌不全を補完し、肥満の是正によってインスリン抵抗性を解消することを目的としている。
ダイエット法のひとつとして話題になっている、ごはんなどの炭水化物を極端に制限する「炭水化物制限(糖質制限)ダイエット」について、宇都宮教授は警鐘を鳴らしている。
2型糖尿病の治療では、体重の適正化が大きな意味をもつ。炭水化物制限によって半年後に有意な体重減少をきたした症例では、総エネルギー摂取量が低下しており、「総エネルギー摂取量は過剰であっても、炭水化物さえ制限すれば減量効果がある」という解釈は成り立たないという。
また、炭水化物制限を行うと、脂肪細胞における中性脂肪が分解され、体重は減少するが、インスリンは筋肉などの体タンパクの異化を抑制しているので、インスリンが不足している糖尿病の人が炭水化物を制限すると、筋肉量の低下を招きかねない。
炭水化物制限食では、必然的に高タンパク質・高脂肪食となる。脂質の摂取割合が増えれば、動脈硬化を促進し、心筋梗塞や心血管疾患の発症リスクが高くなる可能性がある。タンパク質の摂取割合が増えれば、腎不全、ケトーシス、電解質・水分の消失も起こりやすくなる。
さらに、低炭水化物ダイエットに関する研究では、観察期間が短く、30〜50%と脱落率が高いことにも注意する必要がある。さらに、炭水化物を制限することによって起きる、タンパク質あるいは脂質摂取増加の影響が調整されていない。
極端な炭水化物制限食は、有効性ならびに安全性ともに多くの懸念があり、日本糖尿病学会は2013年3月に声明を発表し注意を喚起している。
そもそも食事療法は継続できなければ意味をなさない。「患者のアドヒアランスを高めるための心理的アプローチや行動療法をどのように組み入れていくか、今後幅広く検討していく必要がある」と、宇都宮教授は指摘している。
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