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2013年12月10日
日本の患者の糖尿病治療に対する理解は不十分 世界6ヵ国を調査
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- 糖尿病合併症
国際糖尿病連合(IDF)世界会議
日本を含む世界6ヵ国行われた国際調査によると、糖尿病合併症を予防するために、食事や運動などの生活スタイルの改善が必要であることを、医師のほとんどは説明しているが、実際に行動に移した患者は半数しかいない。調査結果は、メルボルンで12月に開催された「国際糖尿病連合(IDF)世界会議」で発表された。
日本を含む世界6ヵ国行われた国際調査によると、糖尿病合併症を予防するために、食事や運動などの生活スタイルの改善が必要であることを、医師のほとんどは説明しているが、実際に行動に移した患者は半数しかいない。調査結果は、メルボルンで12月に開催された「国際糖尿病連合(IDF)世界会議」で発表された。
合併症リスクを認知している患者は半数
調査は、英エクセター大学医学部などの研究者が、ノバルティス ファーマAGと共同で行われたもの。日本、米国、イギリス、スペイン、インド、ブラジルの2型糖尿病患者652人と医師337人を対象に行われた。
糖尿病は、目立った自覚症状がないまま気付かぬうちに合併症が進行していく病気で、合併症の多くは適切な治療を行えば予防が可能だ。しかし、自覚症状が伴わないので、患者の多くは、食事や運動などの生活スタイルを中心とした習慣化された行動パターンを変えるのにてこずっている。
調査では、糖尿病や糖尿病予備群のうち、診断された段階で「自分は糖尿病合併症の危険性が高い」という自覚をもっている割合は半分程度であることが判明した。
ほとんどの患者は医師の指導を受け、生活スタイルを改善することが重要とのアドバイスを受けていた。その上で、実際に運動を生活に取り入れるなどの対策を実行した患者はわずか40%で、食事療法を実行した患者も49%という結果になった。
医師の9割以上は、糖尿病と診断したときの診察で、2型糖尿病に関する主要なテーマ(食事・運動療法、疾患とその原因、薬物治療、2型糖尿病のリスクと合併症、HbA1cの重要性)について説明したと考えているが、実際に糖尿病コントロール目標に到達できる患者は半分程度だろうと感じていることも分かった。
今回の糖尿病実態調査「今こそ糖尿病を考える時(Time 2 Do More in Diabetes)」は、米国糖尿病協会(ADA)と欧州糖尿病学会(EASD)から集められた委員会によって運営されている。
運営委員長を務めるエクセター医科大学のデイビッド ストレイン博士は「調査の結果、食事や運動、薬物療法に対する患者の理解は、世界的に不十分であることが分かりました。患者さんの適切な理解が糖尿病の治療では不可欠です。十分に理解しないままに、惰性的に治療を続けていると、防げるはずの合併症を防げなくなり、‘自己充足的予言’というべき状況におちいります」と警笛を鳴らしている。
日本の患者の理解度は6ヵ国で最低
今回の調査を、参加した日本人の医師と2型糖尿病患者に限って詳しくみると、診断時の日本の患者の理解度は、6ヵ国中でもっとも低いことが示された。
2型糖尿病について、日本の医師の10人中9人は「患者に説明した」と回答したが、医師からの説明に対する患者の理解度は低かった。「低血糖とその治療」(15%)や「治療費」(16%)、「副作用」(19%)についてはいずれも2割以下で、「食事・運動の生活習慣の改善」(51%)は半数、「血糖コントロールの重要性」(39%)や「薬物治療」(38%)、「潜在的なリスクと合併症」(36%)については4割近くが理解していた。
ノバルティス ファーマ
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所
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