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2013年12月03日
よく噛めば食欲をコントロールできる 食事の満足感も高まる
- キーワード
- 食事療法
咀嚼(よく噛むこと)の大切さが注目されている。咀嚼には、食物を噛み砕き、胃腸での消化・吸収を助ける働きがあるが、それ以外にも「満腹中枢」を刺激し、食欲を抑える効果もあり、食事療法や肥満対策に役立つことが分かってきた。
時間をかけてよく噛むことで脳の働きが活発になり、神経ヒスタミンの量が増える。神経ヒスタミンは満腹中枢や交感神経を刺激し、脂肪細胞から分泌され食欲を抑えるレプチンというホルモンの分泌も刺激されると考えられている。よく噛むことで食欲が抑えられ、満足感を得やすくなる。
よく噛んで食べれば食欲をコントロールできるようになる
ふだんの1.5倍から2倍多く噛んで食べれば、いつもより1割少ない食事でもいつもと同じくらい満足できるという研究が米国で発表された。
「ゆっくりと食べることで、食品の味や香りを楽しめ、食欲をうまくコントロールできるようになります。肥満リスクの低下につながります。よく噛んで食べることは、ゆっくり食べるための効果的な戦略となります」と、米アイオワ州立大学のジェームズ ホリス氏(食品栄養学)は話す。
研究チームは、咀嚼回数を増やすことで食べる量が変化するかどうかをランダム化クロスオーバー試験で検討した。研究には、米国アイオワ州エイムス在住の18〜45歳の45人の男女が参加した。16人が標準体重、16人が太り過ぎ、15人が肥満だった。
参加者は、ふだんの咀嚼回数をベースライン時に調べた後に、昼食として出されたピザを、ひとくちごとに十分に噛んでから飲み込むように指示された。咀嚼回数は、ベースラインの100%、150%、200%とした。昼食60分間中の食欲の程度が繰り返し調べられた。
その結果、咀嚼回数を150%に増やすとピザの摂取量は9.5%(70kcal)減り、200%に増やすと14.8%(112kcal)減ることが分かった。
参加者のほとんどは、咀嚼回数を増やして時間をかけて食べることで、摂取量が減っても食事に満足できるようになったという。
「満腹感は、おなか(胃)が感じるのではなく、脳が感じるものです。食事をしてから胃から脳の満腹中枢に信号が伝わるまでに20分の時間がかかります。この20分間の食べ方で、食べ過ぎを防ぐことができます。よく噛んで、ゆっくり食べることで、満足感を得やすくなるのです」と、ホリス氏は述べている。
咀嚼回数を増やすと食事の満足感を得やすくなる
古くから親しまれてきた「ひじき」や「おひたし」は咀嚼回数を増やせる食品の代表
口の中の健康増進は肥満対策にもなる
歯周病の人では2型糖尿病や高血圧などの発症が増えたり、進行しやすくなるとも報告されている。研究者は「肥満を予防し適正体重を維持することは、口の中の健康を維持するためにも大切です」と述べている。
日本人の咀嚼回数は戦前に比べて半分に減ったといわれる。欧米式の食事が普及し、ハンバーガーやスパゲティなど軟らかい食品の利用が増えたことが理由に挙げられるが、原因はそれだけではないようだ。
28本の歯のうち少なくとも20本以上自分の歯があれば、健康や長寿につながるとして、1989年に当時の厚生省と日本歯科医師会が提唱し「8020運動」が始められた。厚労省の2005年の調査によると、自分の歯を20本以上有する人の割合は、60歳以上で約7割、65歳以上で約6割と年齢を重ねるごとに減っていく。
歯を失う要因となるのは、口の中の細菌のかたまりであるプラークが原因となり起こる歯周病だ。歯周病は最近の研究では、全身の健康とも深い関わりがあると指摘されている。
口腔保健・食に関わる多分野の連携(厚生労働省資料より)
Increasing the Number of Chews before Swallowing Reduces Meal Size in Normal-Weight, Overweight, and Obese Adults(米国栄養・食事療法学会 2013年11月11日)
歯科保健と食育の在り方に関する検討会報告書「歯・口の健康と食育〜噛ミング30(カミングサンマル)を目指して〜」(厚生労働省)
[ 糖尿病ネットワーク編集部 ]
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