ニュース
2013年11月26日
ファストフードも健康的に 高まるヘルシー志向の波
- キーワード
- 食事療法
ファストフードも健康的に 理想的なピザを開発
リーン教授らが調査したピザのカロリーは1枚あたり200~562kcalだった。「ファストフードは単品で買うと、カロリーはそう多くはありません。しかし、ほとんどの人はいくつものメニューを合わせて購入するので、カロリーは増えてしまいます」と、リーン教授は説明する。
調査した6品目のピザに含まれていた脂肪分の平均は、単品で1日のカロリーの所要量の35%を超えており、低カロリーをうたい、実際にカロリーを11%未満に抑えてあった品目は2つしかなかった。
塩分に関しては、25品の大部分が所要量を超えており、うち9品は600kcal当たり1gを超えていた。また、エネルギーの45%以上を炭水化物からとることが勧められているが、基準を満たしているのは5品のみだった。
リーン教授らは、より健康的なピザを開発する作業に着手した。生地にビタミンやミネラルの多い全粒粉を配合し、低脂肪チーズを使用した。風味付けにトマトソースやスコットランド産の海藻を利用し、塩分を控えめにした。
できあがったピザは、1食でカロリーを250kcalに抑え、食物繊維、ビタミンA、ビタミンB群、ビタミンCも含まれており、健康食といえるものになった。
こうして開発したピザを、大人49人、子供63人に試食してもらったところ、大人の77%、子供の81%から、今までと変わらない、あるいはよりおいしい、という評価を得たという。
「ピザなどのファストフードも、工夫次第では低カロリーで栄養価の高いものを作ることができます。ファストフードに対する需要は今後も減ることはないと考えられます。食品会社が協力し、低カロリーで栄養価の高い食品を開発することが、社会にとっても利益になります」と、リーン教授は述べている。
Consumer Estimation of Recommended and Actual Calories at Fast Food Restaurants(Obesity. 2011; 19-10: 1971-978)Pizza Perfect! A nutritional overhaul of 'junk food' and ready-meals is possible(グラスゴー大学 2013年10月13日)
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所
食事療法の関連記事
- 「和食」が認知症リスクを低下 日本型の食事は脳の健康にも良い 糖尿病の人は認知症リスクが高い
- どんな食事スタイルの人が糖尿病リスクが高い? 食事を改善する簡単な方法「食べることに意識を集中」
- 暑い夏の水分補給 甘い飲み物を水に置き換えると糖尿病リスクは低下 食事改善にも役立つ「上手な水の飲み方」
- スマホで写真を撮ると食事改善がうまくいく 糖尿病の治療に活用 食事の振り返りができる
- 糖尿病の人は胃がんのリスクが高い どうすれば対策できる? 胃がんを予防するための6つの方法
- ブルーベリーが腸内環境を健康にして糖尿病や肥満を改善 メントールから抗肥満・抗炎症の化合物
- 糖尿病の人は腎臓病のリスクが高い 腎臓を守るために何が必要? 「糖尿病・腎臓病アトラス」を公開
- 緑茶を飲んでいる人は糖尿病リスクが低下 心臓病や脳卒中が減少 緑茶は歯周病の予防にも良い?
- 今年も猛暑に 「良い睡眠」で対策 睡眠不足は糖尿病を悪化 暑い夏の夜でもぐっすり眠る3つの方法
- 植物性食品が中心の食事スタイルが糖尿病リスクを低下 心臓血管病・がん・うつ病のリスクも減少