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2013年11月07日
介護者が糖尿病について知っておくべきこと 介護者の役割は大きい
- キーワード
- 糖尿病合併症
糖尿病人口は増加し続けており、家族が糖尿病患者を介護するケースが多くなっている。介護者は糖尿病治療において大きな役割を担っている。
介護者の対応が糖尿病治療を改善
糖尿病の治療では、血糖コントロールの目標や、糖尿病にとって好ましくない食品、薬物療法で注意すべきポイントなど、知っておくべきことがたくさんある。糖尿病患者をケアする介護者に適正な知識を伝えることは重要だ。
介護者の対応によって、糖尿病合併症を予防したり、患者の病態が悪化するのを防げる場合がたくさんある。米国の多くの医療機関で、糖尿病患者の家族や友人など、介護者の役割を担う人々向けの講習会が開催されている。
「介護者に糖尿病の治療について良く理解してもらうことは必要です。介護者は、薬の飲み忘れを防いだり、血糖自己測定のタイミングを教えることができ、食事療法や運動療法への意欲を高め、励ますこともできます」と、米クリーブランド クリニックの内分泌代謝科専門医であるベトゥル ハティポグル氏は話す。
患者の生活習慣や、心のもちようについて、家族は敏感に感じ取ることができる。糖尿病の治療では、重症低血糖のような緊急の対応が必要な事態も起こる。身近にいる家族が適切な対応策について知っていれば、効果的な処置ができるようになる。
米国の有名な医療機関であるメイヨー クリニックは、介護者に次のことをアドバイスしている。
- 糖尿病のある人を介護する立場にある家族などが糖尿病についてよく知り、患者が求めていることを理解できれば、血糖コントロールや糖尿病合併症の予防に対し、大きな力を発揮するようになります。
- 運動は高血糖の改善に有用ですが、糖尿病患者だけでなく、すてべの人に勧められます。あたなが糖尿病のある人を介護する立場にあるなら、いっしょに運動をしましょう。あなた自身も、運動によって大きな恩恵を得ることができます。そして、そのことを知らない人にも教えてあげてください。
- 糖尿病の食事療法は、特別な治療ではなく、すべての人に勧められる健康食です。家族集会などでは、健康に良い食品をどうすれば利用できるようになるか、皆で話し合ってみましょう。
- 介護者が手助けできないこともあります。糖尿病の人がうつの徴候を示している場合は、専門家にアドバイスが必要です。うつ病について主治医や糖尿病療養指導士に相談し、どうすれば治療の障害を取り除けるか、アドバイスを受けてください。
低血糖が起こったときに介助が必要なことも
血糖降下薬やインスリンで治療をしている患者では、低血糖が起こることがあります。低血糖は、食事時間が遅れたり、食事量や炭水化物の摂取量が少なかったり、ゴルフなどいつもより運動を長く行ったときなど、いつでも起こりえる。
低血糖には、頭痛、動悸、目のかすみ、空腹感、疲労感など、患者が自覚できる徴候があるが、患者が独力で対処できくなる場合がある。高齢の患者では特に注意が必要だ。
「患者の状態に異変があらわれ、急速に低血糖が起きた場合には、もっとも早く気づくのは近くにいる家族などの介護者です」(ハティポグル氏)。
低血糖が起きた場合は、ブドウ糖やブドウ糖を含む清涼飲料を飲ませる必要があるが、意識レベルが低下するほどの低血糖が起こった場合、応急処置では間に合わない場合がある。介護者がグルカゴン注射をするか、救急車を呼ぶ必要がある。
糖尿病食はすべての人に勧められる健康食
食事療法を続けるためにも、介護者の強力は有力だ。食習慣について、患者自身は気づかない場合でも、家族が客観的に判断できることもある。
「食事は生活スタイル改善の基本です。家庭で食事療法を行うときに、患者だけ家族とは別のメニューの食事をとっているケースがみられますが、本来は食事を家族と同じ食事をとるのが望ましいのです」と、モンテフィオーレ医療センターのジョエル ツォンスゼイン氏は話す。
糖尿病の食事療法は、患者だけでなくすべての人に勧められる健康食だ。「糖尿病だから特別な食事をするという考えたは間違いです。糖尿病になったのを良い機会とみなして、家族全体で食事を見直し、前向きに考えて欲しいものです」と、ツォンスゼイン氏は強調する。
家族が糖尿病になったことで、健康的な食事を意識するようになったという人は少なくない。糖尿病の人といっしょに食品売場に買い物に行くと、新しい発見があると話す人も多い。
「糖尿病ポリス」に注意 完璧主義にならないことが必要
「糖尿病の人が運動するのにつきあって、ご自分も運動をする習慣が身に付いたという人もいます。糖尿病の治療の一環としての生活改善は、糖尿病患者だけでなく、家族にとっても有益かもしれません」(ツォンスゼイン氏)。
ただし、介護者が注意しなければならない重要なこともあるという。介護者は「糖尿病ポリス」になってはいけないということだ。
「医療機関で教育を受けた介護者は、医師や看護師が伝えたことを忠実に守ろうとして、完璧主義になろうとする傾向があります。でも、いつもあたなが小言ばかりを言うようになったら、患者は抵抗感を感じるようになり、かえって治療が長続きしなくなってしまいます」と、ツォンスゼイン氏は説明する。
Geriatric Patient & Caregiver Education(クリーブランド クリニック)Caring for Yourself While Caregiving: A Bronx Resource Guide(モンテフィオーレ医療センター)
Tips for diabetes caregivers(メイヨー クリニック)
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所
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