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2013年02月22日
妊娠糖尿病の予防 植物性タンパク質を十分とると効果的
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植物性タンパク質をとると妊娠糖尿病のリスクは低下するという研究が米国で発表された。「食事に豆類や野菜を取り入れることが大切です」と、研究者は強調している。
「妊娠中にはじめて発症した糖尿病にいたっていない糖代謝異常」と定義される妊娠糖尿病(GDM)。母体が高血糖であると、胎児も高血糖になり、さまざまな障害が引き起こされる。米国では妊婦の7%がこの病気と診断され、患者数は年間20万人に上るという。 赤身肉など動物性タンパク質を多くとると妊娠糖尿病のリスクが上昇し、豆類やナッツ類など植物性タンパク質をとるとリスクは低下するという研究が米国で発表された。 この研究は、米国で看護師を対象とした大規模研究「Nurses' Health Study II」の調査結果を分析したもの。国立小児保健・ヒト発達研究所(NICHD)のウェイ バオ氏らが、米国糖尿病学会(ADA)が発行する医学誌「Diabetes Care」に発表した。 調査は、1991〜2001年に1回以上の妊娠を経験した1万5,294人(2万1,457件)を対象に行われた。うち妊娠糖尿病と初回診断されたのは870例だった。 食事に関するアンケート調査を実施、タンパク質を含む食品について、「まったく食べない」から「1日6回以上食べる」の9段階で摂取量を評価した。 脂肪やコレステロールの摂取量などを調整し比較したところ、動物性タンパク質を多く摂取している女性では妊娠糖尿病の発症が増え、植物性タンパク質を多く摂取している女性では減ることが分かった。 妊娠糖尿病の発症リスクは、動物性タンパク質をもっとも多く食べている女性では28%上昇した。一方、植物性タンパク質をもっとも多く食べている女性では31%低下した。 妊娠糖尿病のリスクをもっとも引き上げるのは、牛、羊、豚などの赤身肉(2.05倍)で、ベーコン、ソーセージ、サラミなど加工肉(1.60倍)もリスクを上昇させることが分かった。鳥肉、魚、卵、牛乳やヨーグルトなどの乳製品では有意差は認められなかった。 「赤身肉などの動物性タンパク質の摂取を控えて、代わりに豆類、ナッツ類などの植物性タンパク質をとると、潜在的に妊娠糖尿病の発症リスクを下げることができる可能性があります」と研究者は述べている。 炭水化物のエネルギー摂取量の5%を動物性タンパク質に置き換えると、妊娠糖尿病の発症リスクは29%増加する。逆に、エネルギー摂取量の5%にあたる動物性タンパク質を植物性タンパク質に置き換えると、妊娠糖尿病の発症リスクは51%低下する計算になるという。 毎日の食事で1サービングの赤身肉を、魚類、豆類、ナッツ類に置き換えると、妊娠糖尿病の発症リスクをそれぞれ33%、51%、33%低下する。 「赤身肉のとりすぎは、長期の体重増加を引き起こし、2型糖尿病や冠動脈疾患などの危険性を高めることが示されました。一方で、豆類やナッツ類、野菜には、不飽和脂肪酸や食物繊維、マグネシウムなどが多く含まれ、食後の血糖値の上がりやすさを示すグリセミック・インデックス(GI)も低いのが特徴です。インスリン感受性の改善も期待できます」と、研究者は指摘している。 Prepregnancy Dietary Protein Intake, Major Dietary Protein Sources, and the Risk of Gestational Diabetes Mellitus(米国糖尿病学会 2013年2月1日)
High Animal Fat Diet Increases Gestational Diabetes Risk(NICHD)
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所
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