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2013年02月22日
塩分摂取量を減らせば数十万人の命を救える
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- 糖尿病合併症
塩分の摂取量を減らせば、10年で数十万人の命を救うことができる――「米国人は塩分を摂り過ぎているので減らす必要がある」と、カリフォルニア大学の研究者らが発表した。
塩分の摂り過ぎると、高血圧が引き起こされ、心筋梗塞などの心疾患や脳卒中の原因となる。これらの病気で毎年80万人の米国人が死亡している。米国心臓学会(AHA)によると、米国の全死亡者の半数近くは高血圧と関連があるという。 高血圧の治療では、食事の見直しや適度な運動といった生活習慣の改善が欠かせない。なかでも重要なのが「減塩」だ。 AHAのガイドイランでは、50歳以上の人は塩分摂取量を1日3.8g以下に抑えることを勧められている。 実際には米国人は1日に平均約9gの塩分を摂取している。うち80%は加工食品や外食からとっており、家庭での摂取量は少ないという。 研究チームは、どのような減塩モデルが効果的で、実現性が高いかをシュミレートした。 その結果、塩分摂取量を次第に減らしていき、最終的に現在の摂取量の40%を減らし1日5.6gに抑えた場合、10年後に28~50万人の命を救うことができるという予測を導き出した。 さらに、ただちに同じ量の減塩を実行した場合は、救える命は50万~85万人に増えるという。 「調査では、塩分の制限は全ての年齢の人にとって有益であることが示されました。塩分を少し減らしただけでも死亡率は低下します」と、カリフォルニア大学サンフランシスコ校のパメラ コクソン氏は言う。 「加工食品や外食で塩分を摂り過ぎている場合は、そうした食品を利用している限りは、"塩分を減らそう"と考えても実行するのは難しくなります。特に1日3.8gという厳しい目標を達成するのは困難でしょう。食品産業と協調して、食品に含まれる塩分を減らす対策が求められます」(コクソン氏) なお、日本人の塩分摂取量の平均は、年々低下してきているとはいえ、1日約10gとまたまだ多い。日本高血圧学会は減塩目標を1日6gとしている。 日本高血圧協会が後援している「塩を減らそうプロジェクト」は、減塩対策として次のことを勧めている。 【外食での減塩】
外食には多くの場合、塩分が多く含まれます。「ラーメンやそばのスープを全て飲まずに半分は残す」、「しょうゆやソースをかけすぎない」「弁当や外食の梅干しや漬物は残す」といった工夫で塩分を減らせます。 【家庭での減塩】
調理するときは、塩を使いすぎないようにし、塩以外の調味料を活用しましょう。工夫をすれば、"薄味でもの足りない"と感じることなく塩分を減らすことができます。「みそ汁をつくるときは、出汁を上手に活用する」、「酢やとうがらしで味にアクセントを加える」、「柑橘類で香りづけする」といった工夫が役立ちます。 【減塩以外の工夫】
野菜や豆類、低脂肪の乳製品などを積極的に食べましょう。これらに含まれるカリウムやポリフェノールには、体内の塩分を体外に排出する働きや、動脈硬化を防ぐ働きがあります。 Reducing sodium in U.S. may save hundreds of thousands of lives over 10 years(米国心臓学会 2013年2月11日)
塩を減らそうプロジェクト
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所
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