ニュース

2013年01月09日

アルコールのカロリーは油断できない

 ビール中瓶(500mL)のカロリーは200kcalで、ご飯1杯(100g=160kcal)よりも多い。また、ワイン2杯分(200mL=150kcal)のカロリーを消費するためには、53分のウォーキングが必要となる――「お酒にもカロリーがあることを知らないと、食事療法で失敗する原因になります」と、世界がん研究財団は注意を呼びかけている。

 アルコールを飲みすぎると、カロリーをとりすぎてしまうことに気がついている人は意外に少ない。年末・年始の時期に体重が増えてしまい困っているという人は、アルコールを減らすことで減量できるかもしれない。

 世界がん研究財団は、アルコールをどれだけ飲むとカロリーの過剰摂取になるかを簡単に理解できる、アルコール・カロリー・カウンターをインターネットで公開している。

 それによると、ビール中瓶1本とチョコレートビスケット3枚のカロリーは同じくらい。同じカロリーを消費しようとすると、53分のウォーキングが必要となる。

 アルコールの1g当たりの熱量は約7kcalある。これは、脂肪は1g当たりに約9kcalの熱量があるのに次いで多い。

 「アルコールの飲みすぎを控えることで、体重コントロールに確実に影響します。でも、多くの人はそのことに気がつかなくて、つい飲みすぎてしまうのです」と同財団の健康情報部長のケイト メンドーサ氏は話す。

 アルコールのカロリーは、糖質や脂質、タンパク質といった他の栄養素と異なり、体に蓄えられることのないカロリー(エンプティーカロリー)といわれる。吸収されたアルコールは体に蓄えられる代わりに熱になり、酸素消費量が増えてエネルギーが消費される。そして、肝臓がアルコールを分解する過程で、中性脂肪の合成が促される。

 「お酒を飲み過ぎると肥満になりやすいのは、アルコール代謝の過程で体に脂肪が付くからです。逆に、節酒しただけで体重が減るという人も多くいます。節酒すると、飲酒のために増えていた肝臓での中性脂肪の合成量が減少するために、結果として脂肪細胞へ運ばれる中性脂肪が減り、体重が減少します」(メンドーサ氏)。

 糖尿病の人は、アルコールに対しとりわけ注意が必要だ。インスリンや血糖降下薬で治療をしている人は、食事を十分にとらずにいると、アルコールによって低血糖発作が引き起こされやすくなる。

 これは食事量の低下のため肝臓のグリコーゲンが減少しており、さらにアルコールの代謝にともなう代謝経路の変化により糖新生(グリコーゲン以外からの糖産生)が抑制されるためだ。

Remember alcohol calories, New Year dieters told(世界がん研究財団 2013年1月2日)
Alcohol Calorie Calculator(世界がん研究財団)

[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

play_circle_filled 記事の二次利用について

このページの
TOPへ ▲